ネパールは2008年に王制を廃止し、民主化したものの主要政党の不正が後を絶たず、カーストによる特権階級への若者の不満が爆発した結果だとみられています。単独で過半数を達成するのは27年ぶりで、ネパール政治における歴史的な政権交代となりました。 農業や観光以外にめぼしい産業がなく、若者の失業率が20%超、GDPは1400ドルとアジア最低水準なため、国内の若いネパール人(人口の半数が25歳未満)は不満を募らせ、親族の支援で海外に出稼ぎに行く若者が多い状況です。
シャハ氏が首相に就任後には、経済発展、インフラ整備、汚職撲滅など、多くの課題に直面します。RSPは政権運営経験が乏しく、既存官僚機構との関係構築も課題です。また、地政学的には中国・インド・米国との外交バランスを維持しつつ、経済再生や観光・IT・水力発電投資を優先する必要があります。
シャハ氏の経歴と支持基盤
バレンドラ・シャハ氏は1990年生まれで、医師の家庭に育ち、土木工学を学んだエンジニアでもあります。2012年からネパールのヒップホップシーンで活動し、社会問題や汚職を批判する楽曲で若者の支持を集めました。2022年には無所属でカトマンズ市長に当選し、都市インフラ改善や汚職対策に取り組み、SNSを活用した透明性の高い行政運営で人気を獲得しました。 シャハ氏は東部ジャパ郡第5選挙区に出馬し、68,348票を獲得、オリ前首相の18,734票を大きく上回り、約4倍の得票差で勝利しました。新興政党「国民独立党(RSP)」は、直接選挙枠165議席中125議席以上を獲得し、比例代表も加えて182議席を確保。
スリランカで22年に、バングラディッシュで24年に若者主体の暴動が起きて、政権が崩壊した事実があります。この選挙結果は、ネパールにおける若者主導の政治変革を象徴し、既存の主要政党への不信と変革への渇望が民主主義を通じて実現した事例として、南アジア全体に影響を与える可能性があります。
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