《君子は其の位に素して行い、其の外を願わず》
孔子の孫、子思が著した『中庸』にある言葉である。
立派な人物は自己に与えられた環境の中で、運命を呪ったり不平不満を言ったりせず、精いっぱいの努力をし、それ以外のことは考えない、ということである。
さらに文は次のように続く。
《富貴に素しては富貴に行い、貧賤に素しては貧賤に行い、夷狄(いてき)に素しては夷狄に行い、患難(かんなん)に素しては患難に行う。
君子入るとして自得せざる無し》
イスラエル建国直後に生まれた初の首相であるネタニヤフ氏は、2019年に収賄と詐欺、背任の罪で起訴された。それ以降、権力への執着を強めたとも指摘される。
23年10月のパレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの衝突開始以降は、情勢悪化や外交を理由に裁判を何度も延期。ガザでの戦闘長期化の背景には、裁判日程を引き延ばし、政治生命を延命させる意図もあると批判が上がった。
ネタニヤフ氏は11月30日にビデオ演説を公開し、裁判継続は「(国民の)分断をあおり、亀裂を深める」と主張。安全保障と外交という「国家の利益」を考慮し恩赦を求めたと説明した。イスラエル大統領府は「(社会に)重大な影響を与える異例の要請だ。真摯に検討する」と表明した。
ネタニヤフ氏を支持するトランプ米大統領は今年11月中旬にヘルツォグ氏に送った書簡で、ネタニヤフ氏の裁判は「政治的で不当だ」と一方的に非難し、「全面的な恩赦」を求めた。これは、トランプ氏が多数抱える裁判沙汰とは内容は違えども状況は似ている。
参照【ロイター=時事】
ベンヤミン・ネタニヤフはイスラエル建国翌年の1949年にテルアビブで生まれ、父ベン=ツィオン・ネタニヤフは著名な歴史学者で、ユダヤ民族史研究の権威。弟イドは作家として活動。
兄ヨナタン(ヨニ)はイスラエル国防軍特殊部隊「サイェレット・マトカル」の隊長で、1976年のエンテベ人質救出作戦で死亡。この兄の死はネタニヤフの思想形成に大きな影響を与えたとされる。
犯人は パレスチナ解放人民戦線(PFLP-EO)のメンバー2人と、ドイツの左翼過激派「革命細胞(RZ)」のメンバー2人。犯人は、イスラエルや他国に収監されている 50人以上の親パレスチナ過激派の釈放を要求。機体はリビアのベンガジで給油後、ウガンダの エンテベ国際空港に強制着陸。乗客約250人のうち、イスラエル人やユダヤ人乗客約100人が人質となった。
ウガンダの独裁者 イディ・アミン大統領は犯人を支援し、軍隊で空港を警備。
1976年7月3日深夜〜4日未明:イスラエル国防軍特殊部隊「サイェレット・マトカル」を中心に、約100名の兵士が C-130輸送機4機でエンテベ空港に到着。部隊は空港に突入し、犯人7人を射殺。人質102名を救出(ただし人質4名が死亡)。
イスラエル側の犠牲は兵士1名のみで、この兵士が部隊指揮官だった ヨナタン・ネタニヤフ大佐(ベンヤミン・ネタニヤフ首相の兄)。ウガンダ軍兵士も20〜45人が戦死。作戦は「対テロ作戦史上最も成功した救出劇」とされ、イスラエル国内では大きな誇りとなった。
一方で、アフリカ統一機構や東側諸国は「ウガンダの主権を侵害した」とイスラエルを非難。この事件は、国家が遠距離でも人質救出に踏み切る前例となり、国際的なテロ対策の象徴的事例となった。要するに、エンテベ作戦は 大胆な遠距離奇襲による人質救出であり、イスラエルの軍事力と決断力を世界に示した初例となった。
ネタにエフ氏は10代からアメリカで過ごし、マサチューセッツ工科大学(MIT)で建築学と経営管理学を学び、学士・修士号を取得。一時期ハーバード大学にも在籍したが中退。
イスラエル国防軍特殊部隊「サイェレット・マトカル」に所属(1967〜1973)での消耗戦争、第四次中東戦争(ヨム・キプール戦争)、サベナ航空ハイジャック事件などに参加。アメリカでコンサルタント会社勤務後、外交官として在米イスラエル大使館勤務(1982〜84)、国連大使(1984〜88)。その後、1988年にリクード党から国会議員に当選。外務次官を務め、湾岸戦争時には国際的に知名度を上げた。
首相就任は46歳、1996年にイスラエル初の公選首相に選出された。以後、複数回首相を務め、イスラエル史上最長の在任期間となっている。
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