「えっ? 効率?」「そうよ、子どもは一人でしょ。それなのに二人も孫がいるなんて。私は三人産んだのに、孫二人よ」というのだった。一緒にいた女性たちのうちで、孫のいない人は3割、孫一人だけが3割、孫二人が4割と判明したという。確かに、効率がいいと言われた方は娘一人だったが、他の9人は二人か三人の子どもで、「確かに子一人で孫二人は効率がいいかも」と笑ってしまったという顛末だった。
更に細かくいうと「うちなんか二人ともまだ結婚しなくて」と嘆いた女性もいた。娘も息子も40代だが全然結婚する気がなさそうだと言う。
50代の息子が結婚せず、その食事・洗濯の世話をしていて「早く出ていってほしい」という女性もいたとの話である。
「居心地良くしてやるからいけないのよ」と周りにからかわれたが、2024年の未婚率は女性23.3%、男性31.9%にものぼっている。
1970年頃はどちらも5%未満だったことを考えれば、この半世紀で、結婚や子どもを持つことに対する考えや価値観は大きく様変わりしたと言える。
参議院議員・円より子氏のお話
☆家族を取り巻く課題
20代で北欧の女性の生き方や家庭とくらしを取材したこともあり、我が国の女性を取り巻く法律や雇用環境を変えたいと思って1979年、ニコニコ離婚講座を月1回開き始めた。離婚の暗いイメージを取り払いたいとニコニコとつけたら「離婚を勧める女」と誤解されたが、全国から受講者が駆けつけ、こんなに悩んでいる人が多いのかと驚くと同時に、女性と家族を取り巻く様々な社会的課題を解決しないと、個人の問題も払拭で
きないと改めて思った。
長時間労働、正規と非正規の雇用格差、狭小で高い住宅、「男は働き、女は家事・育児・介護」の固定的性別役割分業、そして何より倒産や失業による経済的困難、すべてが離婚講座にはつまっていた。未婚や、離婚の母子家庭の貧困も大問題だった。
☆少子化にもつながる課題
こうした課題は、少子化問題にもつながるものだった。
経済が成長し、誰もが安心して働くことができ、自分や家族との時間のゆとりがあり、子育てしやすい住居や保育環境があれば、離婚も減るし、子どもを産みたいと思う人も増えると思えた。しかし、どうも最近の風潮をみるとそうでもないような気がする。
多様な価値観・生き方があり、結婚・子育てという生き方はメインストリームではなくなってきているようなのだ。
もちろん、結婚したい人もいるし、しないというかできない理由には経済的困難、出会いがないなどがあがっているから、安定した雇用や安価な住宅政策、質の高い保育や学童政策などやるべきことはまだまだある。
「選択的夫婦別姓法案が通ったら事実婚から法律婚にして、子どもを持ちたい」という人もかなりいる。
いまの物価高は、月に5万円の年金もない離婚女性のくらしも直撃しているが、子どもが2人、3人いる家庭もどんなに深刻か。
そうしたことを見るにつけ「子どもがいると大変」と思わせてはいないだろうか。
「子育てって楽しいよ」といくら言っても分かってはもらえないようだ。
1989年に丙午の年より合計特殊出生率が1.57と低くなって、「このままでは女性は子どもを産みませんよ」と警鐘を鳴らしてきたけれど、少子化を憂えるより、人口減少社会を前提にした働き方、まちづくり、インフラ整備、医療や福祉を考えるべきなの
か。
いや、それでも、50年近く言い続けてきた女性や家族を取り巻く法や制度の改正はまだまだ中途半端。
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