―そんなふうに日本を褒めてもらえると、日本人として嬉しいです。
金「よく『日本はダメだ!』と言う方もいらっしゃいますよね。確かに、日本は住みやす過ぎて、人をダメにするという感覚はあると思います。現在ある“住みやすさ”は、これまでの人たちが作り上げてくれて、成り立っているものです。
ですが、この住みやすさが自分の子供が大人になるまで続くとは限りません。昔は『こんなに安全な国はない』と言われていた日本ですが、最近ではそうは言えなくなってきました。未来の日本の住みやすさは、私たちができることをやり、守るべきものを守ることで作られていくと思います」
――金さんにとって、日本は住みやすいのですね。
金「住みやすいです。私にとって、日本は“平等な国”なのです。『そうじゃない』と言われる日本人の方もいるかも知れませんが…。海外出身の私でも働けるし、こうして生活できています。日本では、頑張ったことがどこかで生かされる、努力が報われると感じます」
――日本を好きでいらっしゃるのですね。
金「人を好きになるのに理由がないのと同じように、私は日本が好きです。水が合うというか…。言葉の奥深さなんかも素敵だと思います。例えば、日本には『思いやり』という言葉があります。ですが『思いやり』は日本独特の表現で、訳しにくい言葉です
――金さんは、ずいぶん長く日本に住んでいらっしゃいますよね。日本のどんなところが「住みやすい」と感じますか?
金さん(以下、金)「日本では、生活するにあたって余計なストレスが入りません。例えば、日本で買い物に行っても、ほとんどの場合は値段を交渉する必要はありません。でも中国では、より高い値段で商品を売ろうとされたりすることも日常茶飯事なので、値引き交渉や駆け引きは当たり前です。日本ではそういうことをする必要がないですよね。
他にも、日本では最低限の生活水準が守られていると思うのです。田舎に住んでいても電波もありますし、国民健康保険の対象外になることもありません。他の国では、そういうものが得られない方もいるのです。アメリカでも医療費が高くて受けられない人もいます。日本は良心的な国だと思います。日本で得られる最低限の保障は、海外では当たり前ではありません」
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