大腿骨とは、太ももの骨のことだ。股関節として、球状の骨「大腿骨頭(こっとう)」が太ももの動きを可能にしている。大腿骨頭からくびれた細い部分を「頸部」、その下の太い部分を「転子(てんし)部」といい、あわせて「大腿骨近位部」と呼ぶ。
近年、高齢者の増加とともに、大腿骨の骨折が増えている。
高齢者は骨の強度が弱まっているうえに、筋力の低下による転倒を起こしやすい。中でも、転倒して大腿骨近位部骨折に至るケースが、高齢者では頻発して整形外科医は多忙をきわめる現状だ。東京都板橋区の中核病院である高島平中央総合病院では、股関節周辺骨折の手術を年間約230例以上と、都内でもトップクラスの手術数を実施している。同院院長で整形外科の島峰聡医師はこう話す。
「大腿骨近位部骨折の9割以上は救急搬送です。施設からの救急要請も頻繁にあります。近年では90歳以上の方の手術も珍しくありません」 搬送されてきた患者の全身状態を考慮して、できる限り早く手術することが寝たきりを防ぐ道だと島峰医師は強調する。
■高齢者に増加する転倒骨折再骨折のリスクも大
日本臨床整形外科学会理事長で田辺整形外科医院理事長の田辺秀樹医師はこう話す。
「転倒骨折が増加し続けているのは、ただ高齢者が増えているからという理由だけでは説明できません。海外では高齢化が進んでいても、転倒骨折を減らせている国もあります。日本で予防や対策がうまくいっていないことが原因の一つと考えられます」
転倒骨折が増えると、医療費だけでなく、介護費用も増加し、社会的にも経済的にも損失が生じる。転倒骨折は、認知症や脳卒中同様、予防に努めるべき重大な問題なのだ。転倒骨折は骨粗鬆症と転倒の二つが重なることで起こる。高齢者は、高齢化が進むほど骨がもろくなる骨粗鬆症を発症している場合が多い。
わが国における要支援・要介護になる原因は、1位が認知症で18.0%、2位が脳血管疾患(脳卒中)の16.6%、3位が高齢による衰弱の13.3%に次ぎ、骨折・転倒は12.1%と4位だ(厚生労働省「国民生活基礎調査2016年」)。しかしこの事実は意外と認識されていない。高齢者が転倒骨折を起こすと、寝たきりへと至る悪循環を生み出す可能性が高い。一度転倒骨折すると、その後の正常な歩行を困難にし、再転倒のリスクもきわめて高くなる。また転倒に対する恐怖感が生じると、外出や運動を避けがちになり、さらに筋力が低下し、再転倒を繰り返すリスクがある。
「再び骨折すると、リハビリによる回復も最初の骨折の場合よりも困難となる可能性も高く、いよいよ寝たきりでの要介護という状態に移行してしまいます」(田辺医師)
転ばぬ先の杖、最近はお洒落なポールを両手にウオーキングするシニアを見かける、この秋に初めてみるといいかもしらない。
参照HP:AERA dot.(9/29)
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