共著者である朱益鍾(チュイクチョン、ソウル大学において日本の植民地下の韓国経済史研究で博士号。ハーバード大研究者、大韓民国歴史博物館学芸研究室長を経て、現在、李承晩学堂理事)、李宇衍(イ・ウヨン、ハーバード大学研究者を経て経済研究者)らは、ラムゼイヤー論文の韓国語訳に取り組んだ研究者だ。李 栄薫は慰安婦問題は、韓国国内で慰安婦問題の再検証を主張する少数派の研究者と共に、「慰安婦」の件は種族主義の牙城だと書いている。
李 栄薫(イ・ヨンフン、ソウル大学経済学名誉教授。1951年9月10日 - )は1985年に「朝鮮後期の土地所有の基本的な構造と農民の経営」という論文で博士号、大韓民国の経済史学者。佐々木潤之介の「アジアの革命の主体として貧農が歴史的に形成され、発展してきた過程を追求することが、アジアの革命の時代を生きている歴史学徒に付与された任務」という内容の論文を読んで大きな感銘を受け、経済史学者としておこなうべきことを発見したと述べている。
李は安秉直・李大根らと李氏朝鮮時代から現代にかけての韓国の経済史を研究してきた。特に植民地支配下の朝鮮経済の研究で知られ、「日本による植民地時代に韓国が土地と食糧を収奪されたという韓国史教科書の著述は歪曲されたものだ」という主張を提起し、「私たちが植民地時代について知っている韓国人の集団的記憶は多くの場合、作られたもので、教育されたものだ」としている。李らは、反日種族主義に対して批判を行い、朝鮮に民族という観念が初めて導入されたのは日本統治時代のことであり、日本による抑圧と差別の中で生まれた新しい共同体意識が朝鮮の民族主義であるが、朝鮮の民族主義が日本の民族意識と大きく異なるのは、それが親族の拡大形態として受容されたことにあり、それをたどれば「我々はみな檀君の子孫であるという民族意識」に至り、特に両班においてこの観念は拭いがたく強固であり、「族譜」の壮大な拡大バージョンが朝鮮民族であると指摘しており、「個人は全体に没我的に包摂され、集団の目標と指導者を没個性的に受容した。このような集団が種族です。このような集団を単位にした政治が『種族主義』です。私は、韓国の政治はこのような種族主義の特徴を強く帯びていると考えます。(中略)このような韓国の政治文化が、対外的に日本との関係に至ると、非常に強い種族主義として噴出した。民族問題研究所と親日人名辞典編纂委員会が第2回親日人名辞典を発表したのを受けて「日帝時代に文明について学習した人たちや、韓国に現代文明を根付かせた人物たちをすべて否定するものだ。結果的に現代の韓国に生きる自分たちの歴史を否定するという矛盾を内包している」と述べた。李氏朝鮮後期に資本主義の萌芽が存在したが、日本の植民地支配により芽が摘まれてしまったとする「資本主義萌芽論」を批判しており、「幻想」と評している。
李は、更に2013年に出版した自由民主主義、市場経済、大韓民国憲法秩序を基礎にした正統史観で李承晩などの建国勢力と朴正煕の産業化勢力などを叙述した『대한민국 역사』(大韓民国歴史)において、左派が長期独裁で国民の政治的自由を弾圧した李承晩や朴正煕など建国・産業化勢力を蔑視し、共産主義の金日成北朝鮮政権を美化するイデオロギーを拡散させていることについて反論しながら、成功を収めた韓国の現代史(漢江の奇跡)を浮き彫りにさせ、右派の現代史の確立に新たな地平を切り開いたことが評価され、全国経済人連合会が主催する市場経済対象著述部門大賞受賞者に選ばれた。2016年2月26日韓国大統領直属国民大統合委員会の「和合と共生フォーラム」委員長に就任。「これまでの常識に固まった誤った歴史を正してきた努力」(授賞理由)の功労が認められ、2016年に自由企業院(朝鮮語版)が選定する第3回自由院賞を受賞した。
2019年の『反日種族主義』がベストセラーになってはいても、それが「韓国全体」から評価されているのはではなく、批判も覚悟で、学問の正義を貫いての出版だった。本著で、韓国の精神文化は、徐々に低い水準に堕ちて行ったと述べており、反日種族主義に便乗し、韓国の歴史学界は数多くの嘘を作り出したとの指摘をした。嘘はまた反日種族主義を強化し、韓国の精神文化はそれによって悪循環したとの指摘になっている。
朱益鍾は「目の覚めるような衝撃を受けた」という。その後、激しい批判に立たされたラムザイヤー教授を擁護するYou Tube配信を開始。同配信は全32編に及んだ。また、本書の最終編出版の端緒となった。朱は挺身隊問題対策協議会や韓国人学者の集めた元慰安婦証言集、手記、日記、米軍調査資料などを総ざらいで収集し、個々人の出自の情報も加えて証言内容を精査した。慰安婦運動のなかで、「強制連行説」をでっちあげるために利用された元慰安婦たちは多くの噓を語ることに利用された。しかし、朱氏はそれらの証言にスクリーニングをかけて嘘を暴いたのだった。
なお、2019年12月から2020年1月にかけて華城市、平沢市、光明市の公立図書館が「国民情緒に反する」として本書の閲覧制限に踏み切り、他の自治体にも追随の動きがあると報じられている。ただ 文在寅大統領が去った近年では、当書籍の浸透もあり反日の虚構が暴かれつつあるとも言われる。
産経新聞記者の河村直哉は、著者には韓国内での批判を覚悟の上で事実と誠実に向き合う姿勢が見られるとして、敬意を表した。一方で、日本人が反韓・嫌韓といった次元で、日本を正当化する目的のみで本書を利用してはならないとも述べた。また、渡辺利夫は「真実に徹底的に向き合うことがアカデミズムのすべてだという教授の信条は、日本の温和で穏やかなアカデミズムの世界では想像もできないほどの勇気を要する。李教授ならびに李教授の下に集った執筆グループの憂国の思いに頭を垂れる」と評している。
李宇衍は日韓の請求権問題の完全かつ最終的な解決で合意した1965年の日韓請求権協定を「守らなければばならない」と主張した。また、日本政府が朝鮮半島で労務動員を始めた1939年以降、日本各地の炭鉱で支払われた賃金を調査し、食費や家族への送金なども史料をもとに精査して「日本人、朝鮮人の間に待遇や賃金差別はなかった」との結論を下した。李によれば、当時の日本企業は軍需物資の増産で利益を得ようと大量の資金を石炭分野に投じたため、朝鮮人炭坑夫の月収は他業種に比べても高く、「朝鮮で仕事をする男性教員の4.6倍、ソウルの男子会社員の3.5倍、日本の巡査の3.7倍にもなった」という。朝鮮人の労働熟練度の高まりによって場所によっては朝鮮人炭鉱夫の賃金の方が日本人のそれよりも高いことがあり、日本人炭鉱夫が不満をいだくことさえあったという。
また、李宇衍は、日本統治下の韓国では「強制労働がなかった」と主張しており、韓国国内で徴用工像や慰安婦像の撤去運動も展開している。韓国内で主張される植民地時代末期の「強制労働」「奴隷労働」については、歴史的事実とは全く異なっており、労働者には自由があり、朝鮮人の災害率が相対的に高いことは、人為的な民族差別ではなく、炭鉱の労働需要と朝鮮の労働供給の双方によって創り出された不可避な結果だったことを論証した]。さらに、「強制徴用」は虚構であると断じ、韓国における「反日種族主義」を批判している。
2019年7月2日には、李宇衍は日本のテキサス親父日本事務局の藤木俊一により、これまでの徴用工に関する研究の結果を国連で発表して欲しいと依頼され、" target="_blank">第41会期国連人権理事会 にて「朝鮮人の徴用工は差別などされていなかった」「経験が浅い朝鮮人は他の日本人同様に給料は低いが、熟練の炭鉱夫であれば日本人よりも高い給与をもらっていた」など、これまでの研究の結果を発言した。
李宇衍は、人権理事会に対して、1.韓国政府は歴史に関する問題を出処がわからない歪曲された証拠に基づくのではなく一次資料を基にして調査すべきである。2.韓国政府は日韓関係が破綻する前に問題解決に資するように日本に協力すべきである、と強調した。また、同理事会の期間中の国連内でのサイドイベントにおいて、動画などを使い徴用工問題に関して詳しく説明を行った。このサイドイベントには、韓国人の女性が参加しており、その様子をパソコンを通じて外部に送信しており、イベントが終了するや否や、李宇衍に対する殺人予告などがネット上に現れた。その後も、落星台経済研究所の玄関に人糞が撒かれたり、活動家らからの暴行を受けるなど韓国国内において注目される出来事となった。
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