RSJはつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」から徒歩3分ほどの場所にあり、都心から約30分とアクセス良好。「わが校が柏の葉に立地しているのは非常にラッキーなこと」とトニー・ダービー校長は強調する。ダービー氏は、英国ラグビースクール本校では14年間ハウスマスター(寮長)を務めた他、25年以上にわたり英国の全寮制、通学制の学校に携わってきた。
「都心で行われている演劇や展覧会に子どもたちを連れて行けますし、隣接する千葉大学や東京大学の方々と意見交換する場もあります。また、柏の葉エリアはコミュニティ活動が盛んです。多国籍の子どもたちが1人残らず、地域社会との関わりを持てることがすばらしいと感じています」と話す。具体的には、地域のクリーンアップデーに参加してゴミ拾いをしたり、柏の葉オープンイノベーションラボ「KOIL」の協力のもと、子どもたちの将来を見据えてどのようなビジネスをスタートアップするべきかなどのレクチャーを受けたりしているそうだ。
「人間の全体性を重視するHolistic Education(ホリスティック教育)を念頭に置いています。勝ち負けの結果がフォーカスされがちですが、勝ち方や負け方も非常に大事な部分。勝ち方や負け方の中にも、相手に尊厳を持ってプレーすることを学ぶなど、一人ひとりの人間性を伸ばすチャンスがあるのです」と、チームスポーツのみならず、音楽や演劇など多様なジャンルでホリスティック教育の方針が生かされているという。
「音楽のカリキュラムでは、生徒が大勢の前で発表する機会を毎週設けています。生徒はステージに立つことでどんどん自信をつけ、個性を高めていきます。演劇においても、舞台上で緊張する仲間をお互いに励まし合い、勇気を持ってプレッシャーを乗り越えようとする姿が見られます」
RSJには国際規格のラグビー場「Webb Ellis」をはじめ、充実したトレーニングジム、25m×6レーンの屋内温水プール、レコーディングスタジオ併設の音楽室、演劇室などを完備。生徒が好きなことに熱中し、才能や個性を伸ばせるプロ仕様の設備が整っている。
参照 東洋経済(文:せきねみきより抜粋 ’24/6/16)
「イギリス人の教員を募集したところ、日本で働くことは魅力的に映るようです。20名の枠に対して、なんと1000名もの応募がありました。イギリスから優れた教員を呼び寄せることを第一条件として、慎重に採用を行います。生徒たちにとって教員の存在は大きいですよね。彼らが大人になっても、先生のことはずっと覚えているものです。学校運営における最も大切な資産は教員なのです」
RSJでは英国ラグビー校と同様に、「A-Level(英国ケンブリッジ大学傘下の教育機関『Cambridge International』が提供している国際資格で、大学教育を受ける前の16〜19歳の学生を対象とした高校卒業資格および大学入学資格)」のカリキュラム履修を通じ、グローバル人材の育成を目指している。
「A-Levelは自分の興味のある分野をより深く突き詰めていける、すばらしいシステムだと思います。高校の3年間、得意なことに特化してハイレベルな勉強をすることで、大学進学後に自然な流れで研究分野を絞れるでしょう」(ダービー校長)
最後に、RSJの卒業生にどのような大人になってほしいのかを尋ねると、ダービー校長は次のように述べた。
「自分でビジネスを始めるにしても、サラリーマンとして働くにしても、一人ひとりが、自分という映画の主人公になってほしい。わが校のモットーの1つに“レジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)”というものがあります。もしうまくいかないことがあっても、へこたれずに、多くの引き出しを持ち合わせていればリカバリーできるはず。困難から立ち上がるためのスキルを学び、恐れない心を持ちましょう」
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