リーン・スタートアップのアプローチでは、微調整を重ねることでビジネスを発展させていきます。
場合によっては、抜本的な見直しが必要になることもあります。
扱う製品を変えたり、違う業界に売り込んだり、新たな戦略が必要になるかもしれません。
しかしこのような大幅な軌道修正は、あなたの方向性が間違っていたことを示すものではありません。
多少のビジネス戦略の大きな変化は、不測の事態から必要になります。
そしてしばしば、このような変化を起こしたおかげで予期せぬチャンスに恵まれます。
その典型的な例が、シカゴ発のサンドイッチチェーン「ポットベリー・サンドイッチ」です。
ポットベリーは、もともと1977年にアンティークショップとしてオープンしました。
あるとき、店主はもっとお客を呼び込もうとサンドイッチを提供することにしました。
すると、お客たちはヴィンテージもののドアノブやティファニーのランプより、サンドイッチに興味を示しました。
ほどなく、ユニークなサンドイッチを求めて店には行列ができるようになりました。
それを見た店主は、アンティークショップからレストランへの転業を決意しました。
1996年、大人気となったサンドイッチ店は、新しいオーナーのもとで チェーン展開され、全米中に200店舗以上を構えるまでになったのです。
奥田浩美氏は「リーンスタートアップ」についてこう語る。
「アメリカのシリコンバレーでよく言われる言葉が、『完璧を目指すより、まず動くものを』。
彼らは、完璧な製品やサービスができるまで待つことはない。
小さなビジネスの種を見つけたら、まずは形にしてみる。
そして最低限のものができあがったら「試作品」として市場に出し、お客様とともに商品を育てていくというやり方をとっている。
それが『リーンスタートアップ』という起業の手法」(人生は見切り発車でうまくいく/総合法令出版)
ポットベリー(Potbelly)は、現在全米に700店以上展開しているNASDAQ上場企業だ。
売上と利益も好調で、2025年は40店舗の出店を計画しているという。
偶然が成功をもたらした例は数限りない。
むしろ、当初の計画通り、順調に売り上げを伸ばし続けている、という例の方が圧倒的に少ない。
それは、市場や顧客が常に変化しているからだ。
本書の著者であるジョン・クランボルツ教授は、「計画的偶発性理論(プランドハプンスタンス理論)」で有名な人だ。
個人のキャリアの8割が、予想できない偶然の出来事によって左右されるというものだ。
それは、「慎重に立てた計画より、想定外の出来事や偶然の出来事が、キャリアに影響を与えている」、「人生には偶然の出来事はかなり頻繁に起きている」ということ。そして、実際自分が決めてきたと思っていることも、そうではないことが多い。
たとえば、友達も自分で選んだと思っているが、実際は住んでいる場所、学校、仕事、家族の関係などが大きく影響している。
仕事も同じで、自分で選んだように思っているが、学歴や、紹介や、面接の状況等々、もっというならそこしか入れなかったなど、偶然が大きく影響している。クランボルツ教授のいう「よき偶然」だ。
教授は「よき偶然」を手に入れるには、つぎの5つの考え方と行動が大事だという。
それは、「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」。
そして、一歩踏み出すこと。「予期せぬチャンス」に出会うため一歩踏み出すことだ。
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