さて、経済協力開発機構(OECD)外部リンクによると、2018年のごみは全加盟国平均で一人当たり525キロ。
スイスよりも多かったのはニュージーランド(781キロ)、デンマーク(771キロ)、ノルウェー(736キロ)の3国のみだった*。最も少ないのはコロンビアの240キロだ。
* 2018年のOECD調査に米国のデータは含まれていない。 2017年の米国のごみの量は一人当たり743キロ
スイスではごみの埋め立てを2000年に中止、リサイクルされないものはすべて焼却されてエネルギー源となる。可燃ごみは必ず廃棄物焼却エネルギー施設(KVA)で処理されるため、結果として単純焼却ゼロ・埋立ゼロ。同じ期間でごみの分別・リサイクル率も7倍以上に増え、2018年だけでも52%伸びた。
スイス・デンマーク・日本はともにKVAによる「エネルギー回収を伴う燃焼」の占める割合が大きい特徴がある。
スイスのごみの量は705キロ、チェコ、日本、ポーランド、コスタリカの2倍だ。
そこで、スイスを抜き出してみてみよう。
スイスのような面積が小さい国でごみの量が多いとなると、当然、広範なリサイクルシステムが発達する。
スイスの家庭ごみは過去50年間で2倍以上に増加した。スイスの各州は1990年代に、家庭用指定ごみ処理袋を有料化し始めた。
一般的に公共施設に持って行くとリサイクルは無料だ。ほとんどの自治体にはプラスチックやガラス瓶、空き缶、古紙、段ボールの回収場所が常設されている。また堆肥化できるごみなども、収集日に指定の場所に置けば回収してもらえる。スーパーでは通常、ペットボトルやプラスチック容器、バッテリー、浄水カートリッジ、電球などをリサイクルに出せる。鉄道駅では、紙、ペットボトル、空き缶のごみ箱が別々に設置されている。いくつかの店では飲料パックの収集を、電子機器販売業者は廃品のリサイクルを受け付けている。慈善団体は着なくなった衣料を収集し、ぼろ布は雑巾や断熱材の製造業者に回す。
これにより人々は節約するためごみの仕分けをするようになったが、公共のごみ箱や、自然、国境脇に家庭のごみを捨ててお金を節約しようとする人は必ず存在した。
イタリアとの国境に接するティチーノ州は2017年までごみ税を導入せず、フランスとの国境に接するジュネーブでは導入予定はない。
スイスの首都ベルン市では2018年9月から1年間、住民がリサイクル可能なものを色分けされたプラスチック袋に分け、自宅前のコンテナに入れて回収してもらう仕組みを試験導入外部リンクした。種類ごとに異なる収集所に行く手間が省けるとして試験の参加者の85%が本格導入を期待。現在市議会で議論している。
システムは何であれ、スイスのリサイクル意識は高い。ただし、回収率と実際のリサイクル(または再利用)率は区別する必要がある。例えば古紙・段ボールリサイクル協会によると、2019年にスイスの人々は古紙と段ボールの82%をリサイクルに出したが、実際に新しい紙製品に再利用されたのは68%に留まった。
飲料容器はリサイクル率が比較的高い。 2018年のリサイクル率は空き缶・ガラス瓶が94%、ペットボトルは82%だった。
リサイクル率が75%を下回ると連邦当局が空き缶やボトルをデポジット制にする可能性があるためだ。
スイスにある飲料ボトル製造者はこれらを再利用し、「R(リサイクル)-PET」というラベルの付いた新しいボトルを製造している。
出典 swissinfo.ch 2020/06/13
*資源物が混在したリサイクル袋を有料で回収・分別してくれる業者もいる。プラスチックに特化したリサイクル業者もあり、小売店舗や自治体では通常受け付けてもらえないものも含め、あらゆる種別のプラスチックの有料で回収する。
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