イギリスでは、先週から反移民・反ムスリムを掲げる極右主義者ら主導の暴動が広がり、イスラム教のモスクや難民申請者が滞在するホテルなどが襲撃されました。イギリス各地で極右主導の暴動が行われる中、発端となった「偽情報」をSNSに投稿した女が逮捕されました。
暴動の発端は先月、サウスポートで起きた少女三人の殺人、及び近くにいた数人に怪我をさせた事件がおきた事で、その容疑者が「イスラム教徒の難民だ」とする偽情報の投稿がインターネット上で拡散されたことから始まりました。警察は8日、偽情報を最初にネット上に流したとみられる55歳の女を逮捕しました。
現地メディアによりますと、女は、「去年、ボートでイギリスに渡って来た難民だ」とする虚偽の投稿をしましたが、実際の犯人は、ルワンダ出身の両親のもとイギリスで生まれ育った17歳の未成年でした。しかし、ソーシャルメディアには「ボートでやってきた移民だ」という偽情報や「(難民)船を止めろ」などの憎しみを帯びた言葉が投稿され、ハートルプールやマンチェスター、リバプール、ブリストル、ロンドン、ベルファストなど各地で暴動が飛び火しました。
その後、▼ロシア政府との関連も指摘されるウェブサイトに掲載されたほか、▼極右団体「イングランド防衛同盟」の創設者トミー・ロビンソンや▼Xで900万人のフォロワーを持つ右派系インフルエンサー、アンドリュー・テイトがSNSで拡散し、急速に広まったとされています。また、Xを所有するアメリカの実業家イーロン・マスクも暴動に絡んだ偽情報の拡散に関わりました。
BBCによりますと、イーロン・マスクは「イギリス政府が暴動の参加者を収容するための強制収容所を建設予定だ」とする虚偽のニュース記事を拡散したということです。投稿は170万回以上の閲覧がされたが、その後、説明なく投稿を削除したということです。
この極右主導の暴動をめぐっては、それに抵抗する市民による「反差別運動」が国内で大きなうねりを生み出す状況にもなっているほか、スターマー首相が「警察と司法の迅速な対応が極右のデモを阻止した」と述べるなど、鎮静化に向かっています。
参照 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR05CY00V00C24A8000000/
8月12日、共和党のドナルド・トランプ前大統領は、11月の米大統領選を目指して、実業家・イーロン・マスクとのインタビューで、東京電力福島第1原発事故に関して「2000年は現地に戻ることはできないと言われていた」と発言する一幕があった。
一方、震災後に福島県を訪問した経験のあるイーロン・マスクはこれに異を唱え、「福島ですら危険ではない。地元で生産された野菜も食べた」とたしなめた。さらに、エネルギー政策が話題になると、自身の原発推進の立場を説明。トランプ氏は冗談半分で「(原発という)名称の問題がある」と述べ、福島やチェルノブイリ原発の事故について「2000年後に人々が土地を使うことができる」と軽口をたたいた。それに対して、マスクは「それは違う」と反論した。
事故当時、米西部カリフォルニア州で「日本から来る雲が心配だ」といった声があったとした上で「私は福島県に飛んで、現地で生産された野菜を食べ、そうした考えがバカげていると証明した」と説明。水処理施設で利用してもらうために太陽光発電システムを寄贈したとも述べた。
トランプはなおも「最近気分が悪そうじゃないか。心配している」と軽口をたたいたが、マスクが被爆地の広島市や長崎市が再興されたことを例に出して、復興が可能だと強調した。
【ワシントン秋山信一】
2024年08月12日
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