ただ「安心して」と言われても、2023年夏に続いて2024年の夏も暑くなることが予想されており、コメの品質への影響はまぬがれない。世界気象機関(WMO)は、2023年はこれまでの記録に大差をつけて観測史上、最も気温の高い年だったと発表した。2024年は2023年よりさらに気温が高くなる可能性を指摘している。
新潟県産のコシヒカリは、2023年に発生した3度のフェーン現象(乾燥した高温の風が吹く現象)により、2023年産のコメは生産や品質に大きく影響を受け、「1等米」の比率が4.7%と過去最低を更新した。宮城県でも、2023年夏の記録的な猛暑で、宮城県産米の品質が低下し、宮城県やJAは、暑さに強い栽培法を推進する方針を確認している。
農業・食品産業技術総合研究機構は、地球温暖化が最悪のペースで進むと、今世紀末にはコシヒカリの米粒の最大約7割に深刻な高温障害が生じるとする実験結果を発表した。この成果は米科学アカデミー紀要に掲載されている。
では、このような生産調整や記録的猛暑により、コメの値上げや不足が問われる中、スーパーでは精米して1ヶ月のコメを商品棚から撤去してしまうルールだった。おおむね、精米して1ヶ月から40日、50日程度で、どのスーパーも商品棚から撤去している。
撤去したあとどうするか、については企業や店舗によって異なり、言語道断だが捨てると答えたスーパーがあったが、他は、従業員に安く売る、フードバンクに寄付する、コメの納入業者に返品する、ということだった。
取材ができなかったスーパーについては、商品棚に並んでいるコメの精米時期をチェックしたところ、精米から1ヶ月以上経ったものは見られなかった。こんなことでもないと、いかに飽食の時代であったのかも気づかないままであった。
参照 yahooニュース7/15
1993年の天候不順による冷害のために、消費者はもとより、卸売業者までもが米の確保に奔走し、小売店の店頭から米が消えるといった混乱が発生した「米騒動」が起きたことがあった。そして、普段は米を扱わない業者までもが、消費者の関心を集めるために米を仕入れて販売するといったケースも発生した。外米を嫌って食しない一般家庭の傾向が変化して、ブレンド米として外米を混ぜた袋入りを選択して、日本米一辺倒の家庭でも変化を生じさせる出来事となった。こうなってくると、コメ店専売でコメを入手するという形態が変化した、コメ店の優位性が消えて、スパーでもどこでも、コメを買うことができるように変化していった。
コメ専門に扱っていたコメ店が、その後町中から姿を消していったのは当然の成り行きだった。日本で栽培されていたイネの記録的な生育不良から生じたコメの食糧市場の混乱と、これに関連して世界のコメ市場にまで波及する影響をもたらした出来事だった。
コメの育成に関しては、翌1994年には、夏の猛暑により米の作柄が回復したことを受け、米不足は同年後半に収束していた。
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米も輸出しよう。
これに目おつけたのが、戦争を懸念し食料備蓄を充実させる国々。日本の米を買い漁った。
米価が高くなる。
これに便乗したのがお米のスポット買業者。買い占め、売り惜しみを仕掛ける。
日本人のさもしさ。