その一か月前、6月9日のEU欧州議会選挙の選挙で、マクロン大統領率いる中道与党連合は得票率が15.2%にになって、マリーヌ・ル・ペン氏の「国民連合」の半分にも満たなかった。そこでマクロン氏は、まだ選挙の最終結果も出ないうちに議会の解散を宣言。一か八かの総選挙に舵を切ったところから、とんでもない昏迷状態が始まった。
急遽実施された6月30日の第1回目の投票では、なんとマクロンの中道与党連合が、“極右”と言われているル・ペン氏の「国民連合」だけでなく、左派連合の「新人民戦線」にまで追い抜かれて第3位に転落したのだ。七夕選挙の蓮舫氏のように、思わぬ展開になったのだ。
フランスで国民の世論が真っ二つに割れるのは今に始まったことではない。が、ル・ペン氏に対する激しい攻撃は、これまでずっと続いてきた右派と左派の切磋琢磨とは様相を異にする。
「国民連合」は選挙で選ばれた公認の政党であるにもかかわらず、なぜか“極右で、反民主的で、危険な政党”であり、「絶対に政権に就かせてはいけない党」だった。しかし、事前の予想では、「国民連合」が圧倒的首位に立つと予想されていたのだ。そこで、「新人民戦線」は急遽、全国で200人以上の候補者を引き揚げ、すべての選挙区で「国民連合」の対抗馬を一人に絞るという荒療治に出た。左派の票を一本化し、「国民連合」の躍進を止めようとしたのだ。それが功を奏したのか、7月7日、最大級の番狂わせが起こった。左派連合の「新人民戦線」が勝利し、マクロン氏の中道与党連合が2位に浮上。そして、過半数を取るとまで言われていたル・ペン氏の「国民連合」が、今度は第3党に沈没した。
ただ、議席数で見ると、「新人民戦線」が184、マクロン氏の中道与党連合が166、ル・ペン氏の国民連合が143で、過半数の279議席を確保するためには、誰が政権を取るにせよ、連立交渉は必至だ。しかし、これがそう簡単に進むとは思えなかった。
そもそもこうなると、多数の有権者の意思が反映されず、また、政策の一致していない党が混淆(こんこう)して政権に就くため、政治が機能不全になるのだが、これまでそれらの問題点は、「民主主義の防衛」とか「ナチ打倒」といったスローガンで覆い隠されてきた。
今後のフランスの動きだが、マクロン氏と大連立を組むのではないかという臆測である。しかも、大連立の首相候補として挙がっている名前が、社会党のフランソワ・オランド前大統領だとの話では、混乱も極みだ。有権者の関心は、単純に生活の質を高めてくれる政党ならイデオロギーは関係ないという政治意識が主流となっている。
フランスでは、大連立はこれまであまり例がなかったが、ただ、今回は本当にあるかもしれない。ただ、もしそうなった時のメランション氏とその支持者の怒りは相当なものになるのは必然で、暑いパリは、燃えに燃えて、沸騰しそうなのだ。
参照 プレジデントOnline (7/15)
https://news.yahoo.co.jp/articles/baa1d4281dece8b3a6d4a2784dffa2334ebcc7d3?page=4
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