有力候補とみられていた蓮舫氏(56)を上回る得票数を獲得した石丸氏だが、選挙後の“メディア対応”でも波紋を呼んでいる。新人ながらメディアに素直に応じるなどしないので、当落が決まった後の番組で、取り上げられているのだから、選挙の時に取材に来てくれないで終わってから取り上げる恨み節も少し混じっているのでは、と思えるが、取材している側は、不遜な印象を持つようだった。
まずは、石丸氏が出演した、TBSラジオで7日19時58分から22時まで放送された『開票LIVE2024〜カオス!東京で何が起きていたのか』での一幕が記録されているので、ご紹介;
メディア評論家の荻上チキ氏、ライターの武田砂鉄氏、アクティビストの能條桃子氏、コラムニストのプチ鹿島氏の4名がパーソナリティを務める選挙特番だ。同番組では、各候補者へのインタビューを行っており、石丸氏は21時すぎにリモート形式で登場。
まず荻上氏が「今回の都知事選挙、手応えを感じたと先ほど発信もされていましたが、特にどんな点、手応えを感じた選挙だったのでしょうか?」と質問すると、石丸氏は「うん?どのくだりをされてらっしゃいます?」と答えるというよりは、質問の趣旨を逆に質した。
その上で、荻上氏が「先ほどぶら下がりの中で、今回の選挙、自分たちは頑張ったと、走りきったというような話をされてたと思うんですが。はい。特にどういったところに力を入れて、どんな手応えをお感じになりましたか」と補足をすると、石丸氏は「手応えの話じゃないですよ、それ。自分たちができることを全部やったという意味です。はい。で、何かの反応では。反応ではなくて、自分たちの実感の話をしました」と返答して、質問者の応えて欲しいようには応じてこない。
そこで、荻上氏が「では、どんな点に手ごたえを感じたんでしょうか」と改めて聞く意味には応じないで、石丸氏は半笑い気味で「手応えって言うんですかね。それ。なんだろう。自分たちでこれをやろうと決めて、それを実施した、実行したという。それを手応えって言うのかな。でも、手ごたえってもっと反応のことを言うかなっていう気はします。なんか違うニュアンスで聞かれてます?」と再び、質問の意図を聞き返すため、すんなり噛み合わないやり取りになっている。
そこで、荻上氏から質問者が武田氏に代わると、石丸氏が今年5月に上梓した著作『覚悟の論理』の内容を引用して、尋ねた。
「(同著を)ちょっと熟読させていただいたんですけれど、メンタルが強いですねという風に言われて、なんでメンタルが強いかって言われたかというと、その相手の問題はどうなっても私は知りませんよと割り切れるというところ、と書かれていてですね、ちょっとこう、政治をやられる方からすると、この相手の問題がどうなっても私は知りませんよっていう風に言われると、ちょっとぎょっとしちゃうなというところも感じたんですけれども。選挙戦でいろんな立場の人とお会いしてお話しすることがあったと思いますけれども、この本に書かれたことっていうのは、特に考えとしては変化はないですかね?」
すると、石丸氏は「どういう点をぎょっとされたんですか。そんなにおかしなこと言ってるつもりがなかったんですけど。どこに違和感を覚えられました?」と質問の内容を聞き返した。武田氏は改めて、「政治ってのはいろんな意見を受け止めて、考えを変えてったり、考えを強化していったりってことの繰り返しだと思いますけれども、相手の問題がどうなっても私は知りませんよっていう風に 言い切れるっていうところが、自分のメンタルの強さだっていう風に言われると、なかなかそこに対して意見を届けるってことが難しくなっちゃうんじゃないかなっていう風に思ったんですけどね」と説明。
すると、石丸氏は「失礼ですが、本当に熟読されました?」と突っ込みを入れた。武田氏は「熟読しましたね」と即答し、荻上氏も「めっちゃ付箋貼ってますね」と横からフォローする。
そして、石丸氏は「そういう風な思いでは言っていません。ええ、はい。自分の責任の範囲を定義するという意味において、その話をしてます。で、政治において意見のやり取りをするってのは当たり前ですよね。それを否定はしてないはずで」と意図を説明し、このやり取りは終わった。
なお、武田が指摘した部分、『覚悟の論理』に次のように書かれている。
《よく「市長はメンタルが強いですね」と言われます。そう見えるのはおそらく、もともと性格の特徴に加えて、自分の立場や役割を、相手の立場や役割と切り離して考える習慣があるからです。どこまでが自分の問題で、どこからが相手の問題か、明確に線を引いている。その結果、極端に言えば、相手の問題は「どうなっても私は知りませんよ」と割り切れる。だからメンタルが強く見えるのでしょう》
荻上、武田両氏と石丸氏のやり取りは5分ほどだったが、終始質問に対して質問してくるので、嚙み合ってない。
武田氏も8日に自身のXアカウントで、こう綴っている。
《昨晩のTBSラジオ開票特番での石丸氏。これまで、相手が動揺したり絶句したりする場面を意図的に作り出し、優位に立っていると思わせる構図を作り続けてきたのだろうが、受け止めるほうが動揺したり絶句したりしなければ、一瞬で彼自身の不安定さが明らかになる》
また、X上では次のような声が、寄せられていた;
《チキさん&砂鉄さんの石丸へのインタビュー聞いたけど、10代20代ほんとに石丸人気なの?》
《砂鉄さんと石丸氏のやり取り怖かった… パワハラ系上司が思い出されて心臓バクバクした》
《質問者の意図を瞬時に悟って理解して、本当に聞きたいことに対して丁寧に答えていくことが、政治家には求められているのかなと思う。言葉尻をとらえて、細かいやり取りを続けて、何の意味もないやり取りだけで時間切れになってしまう》
《政治って昔から弱者のためにあると言われていたくらいですから、あらゆる人の話を聞いて、意見交換をしてから、全体のビジョンを示すというのが基本。ちょっとマウント取ったやり方とか、一方的な主張は、慈悲に欠ける。三―ラーリング手法の非情な例は、プーチン氏のやり方で、議論を制することに神経を使うが、解決へ相手も自分も縫合する寛容さとかはない。自分の主張の公然化する事だけに集中している》
《重要なのは「どこに着地するか」だ。対話を重ねて、時にかけひきをしながら、合意形成をしていき、最終的に「住民の生活」へと落とし込む。それこそが政治であり、リーダーシップではないだろうか。議論はプロセスに過ぎず、また論破はゴールではない。》
視聴者から、石丸氏の噛み合わないやり取りは、意図的に作り出しているのか、むしろ高圧的だとの印象が広がっていた。
そうだ、海津にいなも、噛み合わない議論をしているとの忠告をたびたび受けてしまうのは、くれぐれも注意と、この際に戒めることにしました (*_*)
都知事候補として第二位の集票となった石丸氏は、無党派層38%から支持があった。そのSNS戦略の効果については、「狙ったわけじゃないんです。実は。全方位的に知名度を上げたかったが、いかんせん、ここから悪口が始まるんですが…マスメディアが取り上げてくれないのでできる事からと考えるとネットメディアだった。ネットメディアになじんでいるのが若者だったので、浸透していたという結果」と説明した。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「石丸さんが起こした現象には学ぶことが多い」と言及。「世代間で頼るメディアが違う。今まで政治を行う時にYouTubeなどで発信する機会は少なかった。石丸さんは既存メディアで頼りにならないからネットを通じて発信して若い人達にピタッとハマった。選挙の仕方として、石丸さんのやり方が影響する事も今後あると思う」と断言した。
TheHEADLINE編集長の石田健氏は「チャレンジャーであったことが若者や無党派層に刺さったと思う。予定調和へのNOが一番ポイント。そこが刺さる人たちがいるんだと思う」とした。
【関連する記事】
- メガソーラー設置が増えることへの危惧
- 成功の秘訣、成功すると自覚すること
- 朝ぶろで、認知症予防
- Camelot by J Andrews & R Barton
- 生まれは違っても
- 高齢者への対応
- 地盤改良; 新湖北消防センターの土質を見る
- セブン&アイ ホールディングス
- 誰でも、転倒の危険はある
- トランプ大統領への反応
- 意外と難しい「自分で考え、自分で決める」
- 2025年3月議会、6日の午後に質問
- バチカンでの教皇選挙:コンクラーベ
- 朝廷と和歌の歴史
- Deepseek いつか来るべき相手
- 「そんなこと言ったっけ」ともいう米大統領だけれど
- AIが戦争に加担、どうなる
- 明日の時代を創るために知る、歴史の重み
- ◆NTV系ドラマ撮影「エキストラ」募集の件
- 女の一人暮らし