我孫子市の場合、担当部局からの「聞き取り」はしなくなっています。北川正恭元三重県知事が、すり合わせてした質問、答弁では原稿をただ読むだけでは「茶番」ではとの指摘もされるようになっていた。2011年以降に、我孫子市議会では、市長と部局での答弁作成のための擦り合わせがされるのみになったのです。
通常、多くの議会は通告書を提出すると、市長部局からの「聞き取り」が行われています。我孫子市議会でも2010年まで、質問内容について所管する担当課の職員がやってきて、質問の意図や詳細について聞かれる日々が議会前の一週間続くので、しょっちゅう呼び出されました。1回目の答弁を受けて、質問議員は再質問、再々質問することになるのですが、それらすべての質問に対する答弁を用意するために、所管課は質問の内容を知っておきたいのです。議会を効率的・生産的なものにするために、「通告」と「聞き取り」という手順を踏まえつつ、質問の内容を精査するのです。
(ほとんどどこの議会も)会議規則の定めとして市議会は通告制をとっているようだ(町村議会には通告制はない)。もちろん、通告しなくても緊急用件、災害防止などの用件など、質問はできることになっています。
このように本会議で質問者が質問位置について(かつては壇上の議長席の前)質問をすると、それに対して市長あるいは教育長が答弁をします。一問一答で区切るか、または総括質問といって全部の質問をし終えてから、答弁をまとめてするか、我孫子市ではどちらかを選択しておこなっています。
自治体によっては、再質問、再々質問の内容まで伝えなければならなかったり、質問に対する答弁を事前に知らせてもらえたりするところもあるそうですが、我孫子市議会ではそこは、以前から当日のやり取りの中で答えを引き出したいところを再質問、再々質問で聞きます。以前は、再質問は質問時間に入れなかったのですが、2011年以降から変えたようです。
質問議員は所管課への事前の問い合わせや、聞き取りにおけるやりとりで下調べをしているので、「こんな答弁が返ってくるだろう」とあらかじめ予測をしたうえで再質問、さらに再々質問を用意しておきます。そのため、市長の答弁で自分の想定していなかったものが返ってきた場合は、その場で臨機応変に再質問を構成し直し、対応しなければならないのです。
だから、1回目の質問と答弁のやりとりよりは、再質問とその答弁から先の部分で質問者と答弁者の真剣勝負と言えるのです。
より多くの情報を持っているほうが、有利であり、職員には隠し玉を抑えておいて、議員が一本取られる事もあり、その逆も多です。情報合戦です。
市長は行政の長ではありますか、細かい数字まで全て暗記しているわけではありませんから、担当職員が概ね答える準備をしています。
1つひとつの質問に対して、「調べるからちょっと待ってて!」と議会をその都度ストップしているようでは時間の無駄なので、データを直ぐ出せるのが優秀な公務員と思われます。また、直ぐ答弁の用意ができているほうが議会を効率的・生産的です。
また、質問に対する所管課が明らかならば問題ないのですが、いくつもの部署にわたる場合、答弁先を決めておきたい、「これは、〇〇部でしょ」「いやいや、××部が答弁してくださいよ」という、調整をしておきたいわけです。
そして、市長・教育長および市長部局の答弁に対し、臨機応変かつ論理的に再質問を繰り広げ、市民の声を行政に届ける仕事をしていくのが、議員の仕事ということになります。調べて、調査さに出かけて、議員や専門家とも議論して、解決策を見出していくことに専心するのが議員の役目です。
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