22 日、松本市の国際音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)」の今夏のプログラムが発表された。6日に亡くなった世界的指揮者で音楽祭総監督の小澤征爾さんが、サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の演奏家らが務めるアドバイザリー委員と相談して決めていた内容で、8月9日に開幕する。定例会見で臥雲義尚市長は「フェスティバルを創立した小澤総監督の功績に心からの感謝と敬意を表し、全公演を捧げます」と話した。
フェスティバル史上初めて「首席客演指揮者」として沖澤のどかさん(37)を迎える。小澤征爾さんが生前に指名したといい、沖澤さんは、青森県三沢市出身の若手指揮者で、ドイツ・ベルリン在住。2019年、仏ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、23年4月から京都市交響楽団の常任指揮者を務める。2019年にリトアニア人男性と結婚、2022年1月には女児を出産し、そのために産休に入っていたが出産後2か月ほどで復職した。同年8月のセイジ・オザワ 松本フェスティバルでオペラ公演に指揮して成功裡に終えた。
沖澤さんが松本市でSKOを初指揮したのは22年のOMFオペラ「フィガロの結婚」。実行委によると、この時の様子を見守った小澤さんが沖澤さんの才能を高く評価し、SKOのメンバーで構成するSKOアドバイザリー委員会と相談を重ねていたという。
今年のOMFは、8月9日〜9月4日。沖澤さんは8月10、11日のオーケストラコンサートや25日のオペラなどを指揮する。また、16、17日と21、22日のオーケストラコンサートでは、米ボストン交響楽団で音楽監督を務めるアンドリス・ネルソンス氏がブラームスの交響曲を指揮する。
実行委は小澤総監督が生前に残した「22年に沖澤さんとアンドリスと出会えたことは僕にとって、非常に幸運な、素晴らしい出来事でした。2人がSKOと創る音楽をリハーサルや本番で全身に浴びながら、僕は何度も若い時に感じていた冒険の始まりのような、胸の高鳴りを思い出しました。新しい時代に向けて、大きな一歩を踏み出す今年のフェスティバルを、松本を、僕は心から楽しみにしています」とのコメントを発表した。
チケットは6月8日午前10時に一斉発売される。問い合わせは、実行委(0263・39・0001)へ。
2024年02月25日
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