税制が増額になれば、多くの人は「税金を徴収されるよりマシ」と考え使うでしょうから、消費に回すので、日本経済へのカンフル剤になることは間違いありません。歳をとるとお金の使うことも大変になります。ですので、残したままよりお金の使い道を、できれば自分で決めておくことです。時期としては60代から70歳に準備をしておくのはいかがでしょうか。
死んだ後、遺産をどうするのかを伝える方法としては、遺言書を作成しておくとか、信託を利用するなどがあります。早いうちにどうするのかをしっかりと決めておく必要があります。法定相続人がいない身寄りがまったくない独居の方の場合でも、遺産を渡したい人を指定できますし、自分の希望するところに寄附もできます。
そうした指定がされていない場合、最終的に国庫に入ります。これは、すぐに国に納められるのではなく、相続財産管理人が選出されて、1年程度の時間をかけて、最終的に国庫に入るのです。朝日新聞デジタルの記事によると、遺産相続人がいないなどの理由で国庫に入った財産額は、2021年度では647億円です。そこで令和6年度4月より、相続登記について義務化がされることになり、違反すると罰金が10万円課せられるとないました。
MUFG資産形成研究所の「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査(2020年)」のデータによると、親から相続した平均金額は3273万円です。中央値では1600万円です。つまり、老後には2000万円以上必要だと言われている一方で、2000万円近く残している人が多いのです。もしかすると2000万円貯めたものの、死ぬ時がいつまでか分からず、使い切るまでには思い切りよくできず、「減るのが恐くて使えなかった」ということもあるので貯蓄にして残したまま死亡というのが実態かも知れません。
『DIE WITH ZERO』(ビル・パーキンス著)という本も、自分のためにお金を使って資産ゼロで死ぬという内容です。お金を残すよりも思い出を残すことが重要であると解いた本です。そのために「徐々に減らしていく」「一定のお金をプールしておく」とありましたが、どのくらい減らすのか?一定のお金ってどのくらいか? これは、なかなかわからないですよね。では、どうすればいいのでしょうか。
「運良く1億円近く稼げた」と資産形成がうまくいった人が「お金に関しての後悔は特にないです」とのアンケートに答え、ただ一つ、「お金を使わない日々が多かったので、今思うと、体力があるうちに海外旅行とか、自分の趣味にもっと使うべきだったなと後悔しております」と、貯めることよりも使わなかったことへの悔いが残っているそう。しかし、現在は「毎日休日なので、自分の趣味の読書とウォーキングを昼間にできて楽しいです」、「近所の同年代の方とカフェに行っておしゃべりするのにもハマっています」と、自由な時間を存分に楽しんでいる様子でした。
高齢者が孤独に陥りやすい背景として、特有の外的要因や環境変化を挙げる。
「高齢者が孤独に陥りやすい最大の原因は、病気など加齢に伴う体の衰え。日常生活が制限される感覚や楽しみが失われる不安感は、孤独の引き金になる。また、知人との死別や入院の影響によって、町内会などのコミュニティとの関わりや外出の機会が減ると孤独感に直結しやすい」
そのため、「『ボケ防止のため』と言ってクロスワードパズルや数読の専門雑誌を買い始めた」(50代・男性)といった急な変化には注意が必要だという。村山氏が続ける。
「孤独の兆候として笑顔や口数の減少が挙げられますが、人前では元気でも裏で孤独を感じている人もいます。実はペットを飼っている人は孤独を感じにくいという研究があり、逆説的な言い方ですが、急に『ペットを飼いたい』と言ったら、孤独を感じている可能性があるかもしれません」
◆孤独のシグナル
@近所の人や友人などの入院・訃報を話す
A持病などの健康状態の変化を話す
B趣味やレジャーでの外出機会が減った
Cテレビやスマホに向き合う時間が増えた
Dクロスワードパズルや数独をやり始める
E「ペットを飼い始めたい」と言う
では、孤独の対策法は?
「対面による非言語のコミュニケーションが重要。オンラインでは、孤独感を低減する効果は限定的という研究結果があります」
孤独は病院に行けば治る問題ではないからこそ、身の回りの人たちがシグナルを見逃してはいけない。
F表情の変化や笑顔が少ない
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