体重50キロの人が筋肉をつけたいなら、1日60〜75グラムのタンパク質を取る必要があると言われます。それは蓄積されず、消費されていく分を補っていくには1日300〜375グラムの肉や魚を食べる必要があるということです。
筋肉を増やしたい人、トレーニングをしている人、サルコペニアの傾向にある人なら、さらに多くとる必要があるのです。しかも、肉や魚はたんぱく質が豊富な食材の代表例ですが、実はそのなかに含まれるたんぱく質の量は意外と多くはないそうです。
例えば、赤身の牛ステーキを200グラム食べても、その中に含まれるたんぱく質の量は35〜39グラムであり、豚肉・鶏肉や魚も同様で、多く見積もって約2割です。十分食べているつもりでも、実際の必要量には足りていないことが多いというギャップに気づくことが、まずは大切です。
体力は急にがくっと低下するのではなく、年齢を重ねながら徐々に低下するものです。歩行や階段の上り下りの動作でふらついたり、とっさの際に障害物を避けられなくなったり、日常生活での動きがスムーズにおこなえなくなったりします。こうした老化による体の衰えを自覚するようになると、「もう年だから」と自分で決めつけてしまって諦めたり、家族からも「もう無理するな」と言われたりして、体力作りに挑戦する気持ちも失っていってしまいがちです。
体力の衰えを感じたらできるだけ早い段階で、「老化の速度にブレーキをかける気持ち」に切り替えることが重要になります。シニアが体力づくり、筋肉トレーニングを始めるに当たって、まず大切なことは、人生を最後まで前向きに「生き抜く気持ちのスイッチ」をONにすることなのです。そして、いくつになっても始めるのに遅すぎることはありません。
一例ですが、86歳からスタートし、3年半のトレーニングによる、俳優・大村崑さんの体の変化はというと、体重が60.4キロから57.5キロに(2.9キロ減)、筋肉量は42.4キロから45.2キロに(2.8キロ増)。体脂肪率は25.9%から17.1%に(8.8%減)、おなかはへこみ、背中はピーンと姿勢が良くなり、颯爽と歩ける体に変化しました。
次に、どのようなプログラムを組むべきなのか考えてみましょう。60歳以上になると、日常生活を円滑に過ごすための体力「生活関連体力」の重要度が高くなっていきます。スポーツ医学の第一人者で筑波大学名誉教授の田中喜代次氏は、「筋力と同時に、バランス感覚・上手に細やかに動く力・すばやさ・柔軟性などの『調整力』を強化することが非常に重要になる」と話します。調整力のトレーニングには、複合的な動きを必要とする運動を取り入れるとよいそうです。
体内時計をリセットするためには、朝にタンパク質を摂取することが重要だと判明しています。
体内時計をうまくリセットできないと、睡眠の質が低下する大きな原因に。その結果、腸内環境を荒らすことに繋がる可能性があるのです。
対策としては、おにぎり、ジュース、パンの単体だけでなく「ゆで卵」をストックして付けてみましょう。ゆで卵であれば冷蔵庫に常備しておけますし、手軽に取り入れることができます。タンパク質が、しかも吸収しやすい形になっている点もおすすめです。
2023年12月28日
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