大谷選手のドジャース入団会見が行われた。各ほTV番組でも生中継が行われた。リラックスした表情で話しかける大谷翔平(29歳)選手と、やや強張った面持ちで対応する通訳の水原一平さん。
ドジャース入団に際して、異例の入団記者会見でも重みのある言葉がよどみなくでてくる29歳にして、岩手に生まれ育った偉人たちに並ぶ、勝つことの意味付けを至高のものとしていける鉄人が大谷翔平であり、哲人の如くの人であると思えた。席上、まず契約交渉に関わった人々、これまで応援してくれたファンへのリスペクトも忘れない。中でも「野球選手として、あとどのくらいできるか分からないので」と先の10年以上も後の事までも心している様子が分かった。クールな、そしてホットな東北人はデコピンがトレンド入り世界でアクセス数第一位になったいる、
WBCの時にも、その秀逸な発言がみんなの記憶にのこっているが、野球のスター選手揃いのアメリカチームを向うにした試合直前には、ロッカールームで大谷翔平がチームメートに声出した時の内容も話題となった。そこで大谷は「憧れるのは辞めましょう」との一声に続き、「今日1日だけは、やっぱり憧れてしまったら超えられない。僕らは今日超えるために、トップになるために来たので、今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」とチームに発破をかけた。
大谷という今やメジャー屈指のプレーヤーの言葉に侍ジャパンの面々も発奮した。これが遠慮なくアメリカ軍団を破るためにチームをまとめ上げた。
他方、通訳の水原一平氏(39歳)は日米で暮らし、米国の大学を卒業した完ぺきなバイリンガル。6歳まで北海道苫小牧市で過ごし、1991年に和食料理人の父がロサンゼルスで板前を始めたことをきっかけにアメリカ合衆国へ移住、2012年から日本ハムの通訳をしていた。それが17年に大谷のエンゼルス移籍には、専属通訳となったのには栗山監督の配慮もあったのだろう。高校でメジャーリーグを思いとどまらせ、出ていく時にはサポートも万全にと通訳も優秀、運転手や私生活のサポートなども親身なイッペイがついていった。結婚に際して、大谷は新婚旅行のギフトカ―ドを贈って、喜んだとの話がある。遠征中の犬の世話は、水原家の犬たちと一緒に奥さんが引き受けているほど公私共々互いの暮らしぶりも円滑な関係だ。
大谷のカリスマ性に溢れた言葉には、元ニューヨーク・ヤンキースのレジェンドも興味津々だった。米スポーツ専門局『FOX Sports』で解説を務めたアレックス・ロドリゲスは、試合後のハイライト番組にゲストとして登場した日本の天才に、「今日の試合前、君がチームに向けて『メジャーリーガーを恐れるな』と言ったスピーチはどういう意味があったんだ?」と問いかけた。するとロドリゲスからの問いに、大谷は即座にその想いを語った。
「野球をやっていれば、誰もが聞いたことがある選手がベンチを含めて並んでいる。そうするとどうしてもリスペクトの形が受け身になってしまう。そこだけ負けないんだという気持ちで行きたいと思いました」
さらに「この勝利は日本にどういう意味をもたらすか」と問われた大谷は、「本当に僕ら日本人はアメリカの野球をリスペクトしています。彼らの野球っていうものを見本にしてこれまで頑張ってきた。今日はたまたま勝ちましたけど、もっと高みを目指していきたい」と、5年もプレーしてきたアメリカへの敬意も口にした。
これには、A・ロドリゲス氏も清々しい言葉の数々に驚嘆。そして「僕は本当にショウヘイを尊敬しているよ」と賛辞を贈るばかりだった。
出典 THE DIGEST編集部(2022/3/22)ドジャースは2013年から11年連続でポストシーズンへ進出。ただ、ワールドシリーズ制覇はコロナ禍で短縮シーズンだった2020年のみで、この10年間はなかなか頂点に届かないシーズンが続いている。「ドジャースが経験してきたこの10年間を、彼らは『全く成功だとは思っていない』と、おっしゃられていた。それだけ勝ちたいという意志が、みんな強いんだなというのは心に残った」。1日(同2日)にドジャースタジアムで行われた面談。常に高みを目指す大谷のハートをつかむには十分だった。
チーム総年俸を圧迫しないよう、10年総額7億ドル(約993億円)の大型契約のうち、97%の6億8000万ドル(約965億円)を後払いとする異例の契約形態となった。これも自身の提案だったとし、ワールドシリーズ制覇に必要な人材確保との思いがあるから、先を見据えて選手力強化を考えている、選手としての立場を超えた判断だ。
「僕自身の優先順位は、契約形態から分かるように、一番上のところではある。勝つことっていうのが僕にとって今一番大事なことかなと思います」と言い切った。デコピンにこよなく愛情を向ける優しい面と、チーム力を高めて、かつ自らが野球の面白さを牽引したいという、絶え間ない「勝」へのこだわりは、前人未到の鉄人に育った他者への配慮も深い東北人だ。
片や水原通訳は「文章を組み立て直し必ずポジティブな印象で伝えていた」、また、大谷の言葉や記者の言葉をメモすることなく全て記憶し、カンペもなくやり取りする姿に驚く声も多数。「同時通訳の方ってメモを取りながら訳すイメージだけど、一平さんは今日はメモ持ってなかった 天才か」、「マジで優秀すぎないか」、「長い挨拶も、何人も出てきた人の名前も全部記憶して通訳するってホントすごい」、「メモとか取らないのね。さすがすぎる」、「ほんと頭の中どうなってるの?」などの声が上がった。
2023年12月16日
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