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徳島県美馬市議会の昨年9月定例会で、3日間の日程で予定されていた会派代表質問と一般質問の質問を行う議員が1人しかおらず、わずか1日で終了した。同市では市長、副市長の2トップが不在で、市議側は質問者がほかにいないことについて、「市政の方向性に関し、責任ある回答が期待できないため」と説明するが、市民からは「仕事を放棄している」と批判の声が出ている。
本会議の代表質問で市議の1人が、市の防災対策や市が進める歴史資料館(仮称)整備事業の進展状況について、市側に答弁を求めた。ただ、質問に立ったのはこの市議1人だけでほかに登壇者はなく、代表質問は約40分で終了。同日の代表質問後と15、16日に予定されていた一般質問に至っては質問通告がなく、取りやめとなった。
同市では、7月の参院選に絡み、前市長が市職員に投票を依頼したなどとして公職選挙法違反で罰金の略式命令を受けて辞職。これに伴い実施される市長選(25日告示、10月2日投開票)に出馬するため、副市長も今月6日に辞職した。
ある市議は「今年度の施策の実施状況について聞こうかと思っていたが、トップ2人がいない状況では責任ある回答が期待できない。質問は新市長が決まってからすればいい」と見送った理由を説明した。この日の代表質問をしたのは、市長選への立候補を表明している市議の1人だった。
地方自治法は、首長が不在となった際は副市町村長が職務を代理し、副市町村長が欠けた場合についても指定された職員が職務代理を務めると規定する。今月7日からは、市の企画総務部長が市長職務代理者を務めている。
昨年9月の定例会では、計6人の市議が代表質問と一般質問に立っていた。今年の9月定例会では今月20〜22日に各常任委員会が、26、27日に決算審査特別委員会が予定されているが、市内の男性(66)は「せっかく質問する機会があるのに、仕事を放棄しているようだ。議員である以上、何らかの質問はするべきだ」と指摘。市内の会社員男性(38)も「市長がいないという厳しい状況だろうが、課題について質問するのが筋だ」と語った。
出典 読売新聞(2022/9/15)