『すごく使える 心理学テクニック』日本実業出版社
何かを覚える必要があるときには、ただなんとなく覚えようとするよりも、「だれかに教える」ために学習するといい。なぜかというと、だれかに教えるために学んだほうが、学習効率は高まるからです。
ワシントン大学のジョン・ネストイコ実験がそれを著しています。
まず、56名の大学生に、映画『遥かなる戦場』のあらすじを読んでもらいました。その際、半数の人には、読み始める前に「あとで、あらすじの内容のテストをしますからね」 と伝えました。残りの半数には、「あとで、別の実験参加者に、そのあらすじを話してもらい ますからね」と伝えました。
あらすじを読んでもらったあとで、内容についての記憶のテストをしたところ、「他の人に話さなければならない」という条件のほうが、非常によく記憶していることが判明しました。だれかに教えたり、話したりするのは、とてもいい学習法だといえるでしょう。
いろいろな本を読んでも、学習に熱が入らないのです。
けれども、自分が得た知識を、たとえばブログやユーチューブで公表しなければならないとしたらどうでしょうか。
そうやって自分を追い詰めれば、漠然と知識を得ようとするよりも、はるかに深く知識を得ることができるはずです。
自己完結の勉強では、本を読んでいても内容はそんなに頭に入ってきませんが、ブログや ユーチューブで不特定多数の人たちに教えなければならないのだとしたら、どの部分をどん なふうに伝えようか、とあれこれと考えなければなりません。
中途半端な学習では、馬脚をあ らわして恥ずかしい思いをしますので、必死になって勉強をするわけです。
自分だけの楽しみとして勉強するのもいいですが、せっかく勉強をするの なら、「だれかに教える」ために勉強してください。
自分が得たものを、惜しみなく教える人は周りの人を喜ばせるのが、自分の価値観となっている人だ。
与え続ける人は、自分に自信がある。どれだけアウトプットしても、それ以上にインプットすることができるからだ。
そして、大事なことは、アウトプットすればするほど、自分の記憶に残り、自分の身になるということ。
人のためにやっていることが、結局は自分を磨くことになる。
2023年08月10日
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