反対に、若い人でも、いつもダラリとしたTシャツやジャージ、パジャマなどで家で休日をゴロゴロする日々を送っていると、気持ちが切り替わらず、脳への刺激もなくなり、やる気がおきず、しまいには体調を崩してしまうこともあります。
現代の認知科学の世界では、人の心は内面よりも外面によって形作られるものだという考え方が強まっています。外見や行動によって人の心は変化し、それを受けて体の状態も変わる。だからこそ、60歳以降は、世間体を過度に気にし過ぎるよりも、心がどう思っているかを大切にしてほしいのです。気持ちがウキウキしていると、ホルモン分泌や前頭葉の働きが活発になり、見た目にも良い影響を与えます。
明るい格好をして、いつも心がワクワクする行動を取ることで、自然に体や脳の状態も良くなっていきます。
地味にしているより華やかなに見える人は、心も常に若々しいのはそういうことなのです。
そこで、「まぁ、人生は何とでもなるだろう」と思っていては、漫然と時が過ぎていき、人生が終わってしまったなんてことになりかねません。そこでお勧めしたいのが、横並びの人生でなくなるチャンスにして、次のラウンドを頭に浮かべておくと良いでしょう。参考にするには、少し年上の芸能人や過去の偉人、身近で憧れる人でもいいでしょう。そして、その理想像に近づけるにはどうしたらいいのかを探っておくといいでしょう。
出典 女子SPA:和田秀樹
血流が悪化すると、脳に運ばれるエネルギーも不足します。
首や背中などカラダを支える筋肉が衰えると血流が悪くなり、脳にエネルギーが行き渡らなくなります。
また、座ったまま運動不足の状態でいると、脳への刺激が少なくなり、脳の使わない部分をスリープ状態にしてしまう原因ともなります。
刺激のない単調な生活は、脳の神経系が活動しないスリープ状態を引き起こします。新しいことに挑戦したり対応したりするとき、脳はエネルギーを必要とします。パターン化された生活はエネルギーを消費せずに済み、脳にとっても楽な状態です。そのため脳は刺激がない状態を維持しようとします。結果として、新しいことにチャレンジする意欲がなくなってしまい、スリープ状態がますます強化されるのです。
新しい交友関係を作らないことも脳のスリープ状態の原因となります。予期していなかった刺激に対処するときに脳は活発に活動しますが、エネルギーを必要とします。脳には楽をしようとする性質もあるため、新たな人間関係の刺激がないと、ますます刺激を避けて怠け者になろうとするのです。
【関連する記事】