眠ってからの3時間、特に睡眠の前半には「ノンレム睡眠」という、深いノンレム睡眠が集中していて、脳の休息に大事な役割を担っています。ですから、主に脳の睡眠が多く現れます。ノンレム睡眠中は脳が休んでいるため、体温調節がうまくできません。ですから、室温をちょうどいい温度に調整しておいて、体温が下がりやすい状態にしておく必要があります。
夏の朝には暑さのため、予定の起床時刻より早く目覚めることがあります。これが繰り返されると、睡眠不足で体力を消耗してしまいます。おきる時間の1時間30分前にエアコンをセットしておくのも役に立ちます。
眠る1時間ぐらい前までに、500ミリリットル以上の水分を摂るようにしましょう。
令和4年6〜9月の熱中症による死亡者数は、厚生労働省の発表によると、全国で1387人に上りました。熱中症の症状が出るのは主に暑い日中ですが、その準備段階は睡眠中に始まっています。
熱中症は、高温多湿の環境にいて多量の汗をかき、体内の水分や塩分が失われることで起こります。睡眠中にも汗をかきます。汗を自覚しない状態でも、一晩でコップ1杯ほどの汗が出ています。これが熱帯夜になると、一晩で500〜1000ミリリットルも汗をかくことも珍しくありません。
これだけの水分と塩分を失った後、暑い日中にさらに汗をかくと熱中症になりやすくなります。また、早朝には血液が濃くなっているので、心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まってしまいます。
熱中症の予防には、汗として失った水分と塩分の補給がもっとも大切です。さらに良いのは、汗をかく前に失われると予測される水分と塩分の一部を、あらかじめ補給しておくことです。睡眠中にこまめに起きて水分補給することは現実的でないので、眠る1時間ほど前までに500ミリリットルくらいの水分を余分に飲んでおくと良いでしょう。
ただし、眠る直前に大量の水分を摂ると、トイレへ行くために起きる回数が増えてしまいます。夕方から眠る少し前までにかけて、ゆっくりと水分を補給しましょう。
2023年08月08日
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