なお調査は次の6つの指標;一人あたりGDP、社会的支援、健康寿命、人生における自由度、寛容さ、社会の非腐敗度の総合評価でなされている。
まずは日本に注目してみよう。156ヵ国中の58位なので真ん中の順位よりは高い幸福度ではあるが、先進国の集まりであるG7の国の中では最低順位である。
特に幸福度が高いのは、フィンランド、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国である。これらの国は福祉国家として有名であり、福祉制度、社会保障制度の充実ぶりが人々に安心感を与えており、それを高く評価していると考えてよい。
重要なことは、北欧諸国については、福祉の充実は国民に多額の税・社会保険料の負担を強いるが、国民は負担はしてもそれへの見返りが大きいと、政府を信頼しているのである。他の5つの指標においても高い評価とみなしてよい。
日本以外のG7の国々は、カナダの9位からイタリアの36位まで高い幸福度にいるので、先進国の経済的な豊かさと自由度の高さを理解できる。国によって6つの指標の貢献度は異なると思われる。例えば、イギリスやアメリカは自由度への評価がほんの少しであるが高く、ドイツ、フランス、イタリアなどは北欧ほどではないが、社会的支援や非腐敗度の評価が高い。
韓国、ロシア、中国などは、ほぼ日本人と同じ水準の幸福度である。
興味のあるのはヒマラヤ山脈のふもとにある小国のブータンである。
ブータンはアジアの中では飛び抜けて国民の幸福度が高い国として有名であったが、チベット仏教の影響によって、家族のメンバー間の絆が強いことや、信仰心の篤いことが高い幸福感の源泉であった。しかし、それは10年以上前の昔のことで、今や95位にまで低下している。グローバル化と他国の情報の流入により、ブータンの人々は他の国の豊かさを知るところとなり、自分たちの貧困を認識してこのような低い評価になったのである。かつては物質的なことよりも、人々の精神的な結び付きが幸福であると考えられたのが、変化した。
日本が低い順位を示している項目は、所得の高くないこと、住宅環境の貧困さ、コミュニティ活動の低迷、環境問題対策の不徹底さ、政治への市民参加がない、人生に満足していない、ワーク・ライフ・バランスの不充分さ、などに代表される。
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