テニス・全仏オープンで4日に行われた女子ダブルスの3回戦で、加藤未唯選手がコート外へ出そうとしたボールがボールパーソンを直撃。一度は警告を言い渡されたものの、対戦相手が抗議したあとに判定が覆り、危険な行為と見なされた。加藤は故意ではないと主張し、処分を不服として4大大会側を提訴したが、判断は大会後になると告げられた。
加藤は自身のSNSで「ボールガールに謝罪したい」とコメントしたうえで「賞金と(ランキング)ポイントを没収された」とも明かした。「(失格後は)何に対しても気持ちが入らない」と落ち込み、一時は帰国も考えたという。 救ったのは世界中の仲間たちだった。
プロテニス選手協会は6日にSNSで「判定は不当で不公平だ」との声明を発表。「少なくとも、(加藤が没収されたという)賞金とポイントは戻すべきだ」とした。
また、加藤のもとには多くの応援メッセージが届き、全仏では今まで知らなかった選手たちからも声をかけられ「すごく励みになった」という。
その後、大坂なおみ選手のコーチを務めた、ドイツ人のサーシャ・バジン氏は、加藤選手がSNSで謝罪のコメントを投稿したのを受けて、「謝る必要はない。あなたはコートに立つために一生懸命努力してきたのに、その機会があなたとあなたのパートナーから奪われたことを残念に思う。前向きに頑張ってほしい」などとコメントしています。SNS上では、加藤に対する同情のコメントが相次いでいた。
オーストラリアのニック・キリオス選手は「意図の問題ではなく、子どもにボールを当てたら、それは失格だ」などとツイートするなど、失格は妥当だとする投稿も一部で見られた。
加藤の主戦場は女子ダブルスだが、その後、ティム・プッツ(ドイツ)と組む混合ダブルスにむけ気持ちを切り替え、一つ一つのプレーに全力を注いだ。
「失格になった選手としか認識されていないから、それなりにプレーできるところを見せたいと思っていた。リベンジというか、女子ダブルスの分まで頑張りたい。私が(全仏で)できる試合は混合ダブルスしかない。目の前の試合を頑張ろうと思っただけ」。そして、決勝戦でのタイブレークを制し、自身初の優勝の栄冠を手にしました。昨年優勝した柴原瑛菜(橋本総業)に続き、日本選手として2年連続でこの種目で優勝となった。
2023年06月09日
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