慶應大学での東京百寿者研究では、百寿者における慢性疾患を病気別に見ていった結果、糖尿病の有病率は6.0%で、一般の高齢者の3分の1程度と非常に低かった。また、がんや脳梗塞といった致死率の高い疾患の罹患率も比較的低いことが分かりました。体内で合成されるたんぱく質の「アルブミン」は、血液や体内の水分量を調節し、血管内の物質の運搬を助ける役割を果たしています。そして、85歳以上の高齢者1427人の血液データを解析した結果、血液中のアルブミンの濃度が高いほど、長生きでした。
100歳を超すを超百寿者というが、その方たちは心臓と腎臓、そして全身を巡っている血管、この三つの機能の衰え方が非常に緩やかでした。 私たちの心臓と腎臓は、互いに密接に協調して血圧や体液などの量を調節し、全身に万遍なく血液を行き渡らせています。そのため、心不全や心筋梗塞などを発症し、心臓の機能が低下すると腎臓の働きも落ちます。また、糖尿病や高血圧等で腎臓が弱っていると、次第に心臓の働きも低下していきます。これを「心腎循環システム」と言いますが、このシステムを高い水準で維持すること、すなわちいかに心臓と腎臓の機能を保つか、それが健康長寿につながる道であると考えられるのです。
さらに遺伝的な傾向としては、百寿者はアポリポタンパク質E4(ApoE4)という遺伝子を保有している方が少ないことも明らかになりました。ApoE4はアルツハイマー病のリスクが高まる遺伝子として知られています。このことから、百寿と認知症には何らかの関係があると推察されます。
そして百寿者の性格傾向も調査し、やはりある特徴が見られました。具体的には、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向と、「ビッグファイブ」と呼ばれる五つの性格要素を分析。すると、百寿者は誠実性と外向性が高い水準にあることが分かったのです。
誠実性が高いということは、責任感があり、勤勉で真面目であることを意味します。つまり百寿者は、自らを律する力が強く、決まり事をしっかり守る方が多いといえる。おそらく、医師からの指示や薬の用量・用法を厳守し、朝は6時に起きて夜10時には必ず寝る、運動をルーティンとして行うといったような生活習慣を守ることができるので、自然と長寿につながっているのではないかと考えられます。
出典HPhttps://www.dailyshincho.jp/article/2022/09111059/?all=1&page=72007年から日本社会は、「高齢化社会」を通り越し、65歳以上の人口が21%を超える「超高齢社会」に突入しています。同時に、一人暮らしの高齢者である「おひとりさま」が急激に増加しています。65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合は「男性13.3%」「女性21.1%」にものぼっています。内閣府によると、65歳以上の一人暮らしは「男性約192万人」「女性約400万人」(2015年)、
高齢者の数は年々大幅に増加しており、今後さらに増えると予想されています。
出典:健康長寿ネット「日本の超高齢社会の特徴」
2023年06月05日
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