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このブログでは、地球サイズの行動派」をモットーにしてきた通り、市議・海津にいなの日々考えている事、見たこと、聞いた事、考えたこと、日々の活動を日誌としていきます。グローバルな視点で我孫子の今昔を紡ぎ合わせてABIKOと「観光」(まちの輝きを観せる意)、SDGsを率先してきたことを伝えます。
我孫子は、嘉納別荘と白樺派の関わりは深く、『リーチ先生』の新聞連載(2018)では我孫子の話がふんだんに登場していました。陶芸家として決意するリーチには、白樺派の一員として我孫子での暮らしが人生で最もハッピーな思い出だと記していた。実は、平将門の活躍の拠点だった時期もあったと調査がされてきました。NHK大河ドラマでロケ地観光のブームとなった『平将門、風と雲と虹と』(1976)の際は、まだ知られてずの郷でした。2019年では、同ドラマ『いだてん』によって嘉納治五郎の艱難辛苦がつまびらかにされ、東洋初のオリンピックが東京に決まるまでには、手賀沼もオリンピック競技施設の候補にと考えていた事が知られ、市民の浄財で嘉納銅像が建立(2020年)されました。五輪開催に奮闘した嘉納は晩年は我孫子別荘とご自宅とに半々でくらし、急逝された後にはご家族が移り住まわれていたことが近年の調査で分かってきました。さあ!智慧をもたらず巳年こそ、ねじり鉢巻きで、巻き返す年に!!

海津にいな 「あっちこち@ABIKO」活動日誌

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2023年03月20日

中国の人口減少、出生率低下への対策は?!

国連を始めとする各種人口統計を総合すると、2022年末に中国はインドに人口世界一の座を明け渡した。2022年末における中国人口は14億1175万人だったが、インドはそれを追い抜いて14億1700万人に達したものと思われる。人口構成で若年層が多いインドは今後も人口増加が続き、2050年には16億人を超えると予想されている。

一方、中国はすでに65歳以上の人口が総人口に占める割合が14パーセント以上となる「高齢化社会」に突入している。ちなみに、65歳以上の人口は、2021年末:2億56万人(総人口に占める割合:14.2パーセント)、2022年末:2億978万人(同14.9パーセント)であり、わずか1年で65歳以上人口は922万人も増加している。この数字は今後も継続して増大して行くはずであり、出生人口の減少との相乗効果で総人口の減少は不可避であり、生産年齢人口(15〜64歳)の減少とも相まって国力の減退は避けられないのである。

2022年に中国の人口総数は幾分下降したが、その要因は出生人口の減少にあった。第一の要因は出産可能女性の持続的な減少であった。2022年に中国における15〜49歳の出産可能女性は2021年に比べて400万人以上減少したが、その内の21〜35歳の出産最盛期にある出産可能女性は500万人近く減少した。第二の要因は出産レベルの継続的な下降であった。出産観念の変化、結婚・出産の先延ばしなど多方面の要素の影響を受けて、2022年における出産可能女性の出産レベルは継続的に下降した。

そこで、中国は法改正して、子供を出産した人は誰でもいかなる制約を受けることなく出生届の手続きすることが可能ということに改正する。四川省衛生健康委員会は「出生届」だけに言及していて、あえて「戸籍」とは言っていないが、「澎湃新聞」が述べているように、改正後は子供が生まれた人は既婚・未婚を問わず、子供の出生届を手続きしさえすれば、自動的に戸籍も与えられるということである。これまでは未婚で出産した者は犯罪者同様に扱われて出生届の受理は困難を極めたし、子供の戸籍を取得するには厳しい条件が課せられたから、無戸籍の子供が多数存在したのだった。

2016年には1組の夫婦に無条件で子供を2人まで容認する「両個孩子政策(二人っ子政策)」が開始された。この結果、2016年の出生率は2015年の11.99パーミルから1.58上昇して13.57パーミルになったが、同政策の効果は2016年だけに留まり、2017年以降の出生人口は年々さらに減少した。

深刻化する出生人口の減少傾向を抑制すべく打ち出されたのが、2021年7月に発表された「三個子女政策(三人っ子政策)」であった。同政策は1組の夫婦に子供を3人まで持つことを許容すると同時に子供3人の家庭に補助金を含めた各種優遇措置を講ずるというものであった。

中国政府は三人っ子政策が大きな効果を発揮するものと大いに期待を寄せていたのだが、それは肩透かしに終わったのだった。三人っ子政策の実施から1年後の2022年の出生人口は上述したように956万人となり、前年(2021年)の出生人口より106万人も減少したのだった。この結果として、2022年の人口自然増加率はマイナス0.60パーミルとなって、1960年のマイナス4.57パーミル以来62年振りにマイナスを記録したのだ。

新中国は1949年に成立した。その時代に未婚女性の妊娠は不道徳なことと考えられていた。一般の家庭は夫婦共稼ぎであり、子供たちはそのほとんどが「鍵っ子」であったから、色気づいた中学生や高校生が両親不在の昼間に好きな異性を自宅へ連れ込んだ挙句、いつの間にか男女関係に発展してしまうことがよくあった。

当時の社会は「性」がタブー視されていたから、中・高校生を含む多くの若者が性については無知で、性行為を行えば妊娠する可能性があることを知らなかったし、ましてや避妊の方法など知る由もなかった。この結果、中学・高校の女子学生が妊娠してしまい、堕胎を余儀なくされることが多々あった。

そんな場合に医院の医師や看護婦たちは堕胎する女子学生を不道徳者として見下し、堕胎手術を乱雑に行い、麻酔なしで掻把(そうは)をするなどして、後々に妊娠不能となるような傷跡を母体に残すことも多発したようだ。筆者の妻は1986〜1989年に帯同家族として北京市で駐在していたが、堕胎のために医院を訪れた女子学生が意地悪されているのを何度も目撃したと言う。

一つの例であるが、北京駐在中(1985〜1990年)に部下であった中国女性は入社早々の22歳で結婚したが、図らずもわずか数か月で妊娠した。それは彼ら夫婦にとって予想外の望まぬ妊娠だったので、すぐに堕胎して事なきを得た。彼らは避妊の知識は皆無で学校では性教育を受けることは全くなかった由であった。

今回、「未婚の出産による新生児の出産届を受理すると同時に戸籍も与える」という四川省を始めとする5省の試みは画期的な政策と言えるが、それでも減少を続ける中国の人口が未婚出産によって増加に転じるとは考えられない。

中国は長期にわたる一人っ子政策の実施の後に、二人っ子政策、さらには三人っ子政策を実施することで、出生人口の減少に歯止めをかけようと必死にあがき、遂には未婚出産を容認するまでの譲歩を余儀なくされたのだった。しかし、どんなに中国政府が出生人口の増大を図ろうとも、子供一人を育てるだけでも経済的余裕のない階層が大多数を占める中国国民が政府の思惑通りに子供の出産に励む可能性は極めて小さいと思わざるを得ない。


なお、中国の性別構成を見ると、男性人口は7億2206万人、女性人口は6億8969万人であり、男性人口は女性人口よりも3237万人少ない。総人口に占める性別比率は女性を100とすれば、男性は104.96であり、男女比率は男性51.15パーセントに対して女性48.85パーセントである。

そこで、中国の人口専門家である易富賢(いふけん。米国ウィスコンシン大学マディソン校の研究者)氏は、子供の出産届や戸籍といった出産権の確立だけでは不十分であり、成長させるための保障が必要だと述べている。氏によると、今後中国が出生率を上昇させることは困難であり、未婚出産の比率を高くすることはできないだろうと述べている。なぜなら、「中国は目下のところ出産環境が劣悪であり、人々は生活の拠り所が安定しない状態にある。現状では二人親の家庭でさえも子供2人を養うのが困難なので、片親家庭の母親は子供1人さえ養うことは無理なだろう。その背景は、中国国民の可処分所得はGDP(国内総生産)の44パーセントを占めているに過ぎないが、国際社会では国民の可処分所得はGDPの60〜80パーセントを占めている。そして、中国の不動産市場総額はGDPの4倍だが、米国は1.6倍、日本は2.1倍に過ぎないし、教育コストも中国は非常に高い。とても、一人親で子供を育てるなど、法が変わっても少子化歯止めにはならないだろう。」と述べている。



参照 現代ビジネス
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PROFILE
ブログ製作者:海津にいな                 (KAIZU Nina、新菜)。
経歴:(株)発明工房役員、我孫子市議会議員(5期)を続行中。児童英会話インストラクター、野村総研(政策研究部所属など)勤務した。放送大卒、立教大学(観光学研究科 )修了。筑波大学大学院(博士課程後期 単位取得退学)
コミュニティ−活動:めばえ幼稚園・四小PTAの役員/青山台自治会副会長・三小・我中PTAの役員/久寺家学習指導(書道)、生涯学習推進基本計画策定委員(’99) 
NGO活動、他:NGO・ACT(我孫子カルチャー&トーク)の会、開かれた県政を進める会世話人(〜‘09)、女性のための政治スクール(10期)、千葉県ボランティアコーディネーター、千葉県観光人材育成セミナー。日本観光研究学会、eシフト、自殺対策議員有志の会、自治体ウオッチ(世話人)。
市民活動:我孫子市国際交流協会(初代理事・広報部長)、我孫子の文化を守る会、我孫子フィル後援会、我孫子地産地消協推進協議会、我孫子市消費者の会(`90〜)、エコライフ、谷津を守る会、かっぱ祭り実行委員(第1〜3回)、AYA(フィンランド劇団招聘)、きもの愛好会、湖北山の会、市史研究センター会員、まちづくり編集会議:将門プロジェクト企画。
生涯学習:オープンスクール(武蔵野美大、川村学園女子大学、中央学院大学、麗澤大学、上智大学、放送大学)にてリカレント他、国際理解活動の必要からギリシャ語、スペイン語、仏語、韓国語、英語を学ぶ。CCC(異文化コミュニケーション=英会話クラス)
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