韓国の現場ではいま「変化」が起きていて、それを実感する場面がどんどん増えている。
こうした現実は日本では報じられないので意外に感じられるかもしれないが、実際に足元で起きていることなのだ。
もともと2019年8月文在寅元大統領の演説で始まった「反日、不買」は、韓国にも深い爪痕を残した。それによって、多くの韓国民が「目覚めるきっかけ」になった。
そんな韓国人の多くに「羞恥心」を持たせたひとつのきっかけは「慰安婦合意」破棄への動きだろう。朴槿恵政権下で行われた「慰安婦合意」は在日韓国社会にとっても希望の光だった。それまで日本政府に対して完全無視を決め込み、日本に対して「1000年恨む」と話していた朴槿恵元大統領がまさかの日韓合意をしたわけだ。だが、故朴大統領の令嬢・朴槿恵元大統領は韓国内でも側近に操られているお嬢様大統領にしかすぎず、ローソク集会をきっかけに結局はセウォル号の沈没への対応の遅れと側近中の側近の崔順実(チェ・スンシル)氏の家族を巻き込んだ疑惑の責任で退陣に追いやられた。一方、そのローソク集会でうまく名前を売ることができたのが文在寅元大統領だった。
そんな文在寅は恩師である盧武鉉元大統領の意思を継ぐかの様に大統領になったが、歴代大統領の中で国政に関して「一番強い従北思想の持ち主」であるということは、就任後、慰安婦合意破棄の動き、反日・不買による不毛な政策をするまで多くの韓国人は気がついていなかった。しかも、文在寅元大統領に関しては北朝鮮に対してあれだけ従順な姿勢をアピールしたにもかかわらず、返事は罵詈雑言しか返ってこなかった……。
それでも韓国メディアの多くは文在寅を擁護し政権を保たせようとした。それなのに、慰安婦合意破棄の動きは「世界に羽ばたく韓国」「先進国の仲間入りをした韓国」とする韓国の国民には到底納得ができないことだった。両国が決めて世界に向け発信した慰安婦合意が、政権が変わって覆られそうになることに韓国人の多くは戸惑った。当初は「被害者、国民に相談もなく」といっていた人々もいたが、李容洙(イ・ヨンスク)氏の正義連内部の疑惑暴露で、そうした人たちの気分もひっくり返ったのだ。
それまで「聖域」と呼ばれた慰安婦問題の先頭に立って、政府すらもコントロールして来た正義連の元代表尹美香(ユン・ミヒャン)議員と正義連の活動自体にちおても暴露証言してしまった。それまで正義連の広告塔の役割として何か問題が生じれば真っ先に世界を飛び回り慰安婦被害の証言をし続けてきた李容洙氏、その人自身が正義連を否定してしまった意味は大きかった。
その証言に腹を立てた尹美香議員は、自身のFB(フェイスブック)にて李容洙氏が慰安婦でないと主張するなど、ここまで来ると韓国民も日本国民も笑うしかない幼稚な争いとなった。これまで疑心暗鬼に慰安婦問題を見ていた人達にも、内部暴露の一連の騒動によって韓国内に与えた影響は大きかった。
現在、元徴用工問題も公開討論への国民の関心は驚くほど低い。メディアで伝えられている韓国政府の反論も、ほとんどが元徴用工支援団体の意見を載せていて、それを国民総意の様に伝えているが、それは現実と乖離していると言わざるを得ない。
韓国ではこの慰安婦合意をめぐる顛末に関しては、日本人が思っている以上の羞恥心を持っているのだ。今後、日本と韓国が理解しあっていく過程では、こういったことが韓国ではさらに暴露されていくことと思う。いま慰安婦正義連暴露から左派団体の不正が一枚ずつ剥かれていく中で、今後、韓国左派団体の「嘘」が明らかにされていくだろう。
もちろん、70年以上の反日教育を受けてきた韓国人の意識が「正常化」するにはまだまだ時間がかかるだろう。それでも、2000年以降、日韓は気軽に行き来できるようになって、若い韓国人世代は日本で得る体験、情報が多くなってきて、友人として日韓が付き合うようになってきた世代が続くようになった。互いにとって、ポジティブな隣国関係を築いていく世代代わりしてきたのだ。
参照 現代ビジネス(2/8)
2023年02月17日
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