YouTubeチャンネルの『Life Where I’m From』は、東京都交通局に取材協力を得ながら、都営地下鉄に導入されているテクノロジーを海外向けに紹介している。地下鉄のホームに立つと、ちょっとした技術が興味を引くこともあるようだ。ホームの安全確認のために天井から吊られた監視モニターや、オンラインで発行できる遅延証明書などのしくみは、かなり珍しく思えるようだ。近年では各駅にホームドアの設置が進む。列車のドアには外向けにQRコードが貼付されており、これをホーム上のカメラで読み取り正しい停車位置が確認できた場合のみ、ホームドアが開くしくみだ。
また、多言語対応が進み、海外からの訪問者の人々でも乗り換えがわかりやすくなっている。インサイダー誌は車内ドア上の案内表示を挙げ、日本語だけでなく英語でも以降の停車駅や乗り換え駅などの情報が流れていると紹介している。見慣れた工夫だが、ちょっとした表示が心強い助けになっているのだろう。
日本で生活していると当たり前にも思えてしまうが、きっぷに子供料金があるのは新鮮に思えるようだ。また、世界の地下鉄には一律料金となっているものも多いなか、日本のシステムは距離に応じた金額となっている。これらを総合して米インサイダー誌は、「日本では地下鉄の乗車料金はリーズナブルだった」としている。
インサイダー誌は、日本の地下鉄では、乗車時のマナーが比較的守られている事に驚いているようだ。きちんと列が形成されているため、電車到着の際の混乱が少なかったと述べている。列車の種類に応じてどこに並べばよいかプラットフォームにマークで示されており、これも混乱の軽減に一役買っているのではないかと記者は言う。ニューヨークの地下鉄の場合、とくにラッシュアワーでは、電車めがけて方々からダッシュで駆け寄ることが多いようだ。
日本の鉄道は、世界でも稀に見るほどの正確性で運行されている。地下鉄も例外ではない。実際には多少の遅れは起きることがあるが、海外の平均的な地下鉄よりはかなり正確のようだ。
インサイダー誌(2020年6月16日)の記者も、「これまで乗ったことのあるほかの(輸送)システムよりも、タイトなスケジュールで運行している」にもかかわらず、経験した限り時間通りだったと振り返る。「とくに過去にニューヨークに住んでいた身としては、あれほど正確に走っているのはほとんど信じられない」との感想だ。
米ワシントン・ポスト紙(2016年4月18日)は日本の地下鉄について、「もしも1分でも遅れようものなら、駅員が拡声器を使い、不便を生じたことを心からお詫びする」と紹介している。また、日本では電車で寝ている人をよく見かける。到着予定時刻にタイマーをセットし、バイブレーションで起きる人もいるが、これも時間に正確な日本の地下鉄がなせる技だと同紙記者はいう。
ワシントン・ポスト紙は、清掃スタッフが頻繁に掃除機をかけていたり、手すりを消毒していたりするのを見かけると述べている。多くの人が出入りする公共施設でありながら、清潔な駅構内にも驚くようだ。また、これは日本の道路についてもよく聞かれる評だが、ゴミ箱がまったくないのにゴミが一切落ちていないことも不思議な光景だと同紙は述べている。同紙は多くの駅で小鳥のさえずりの音響も流されていたとしている。駅では目の不自由な方を導くための盲導鈴が聞かれるが、もしかするとこれを快適なBGMだと勘違いしたのかもしれない。
いずれにせよ日本の交通機関での清潔さには定評があるようだ。ニューヨークのあまり小綺麗とはいえない駅と対比しユーザーは、YouTubeのコメントに「東京には4年住んでいるが、どの交通システムもベストだ」と述べていた。
続きもご覧ください→
YouTube動画『Life Where I’m From』チャンネルの動画配信に、視聴者から日本の地下鉄の正確性を紹介したコメントが寄せられている。
・コロナ前に東京に行ったけど、3つのことが目についた。とくに観光客に対して誰もが礼儀正しいこと、すべてがきれいなこと、公共交通機関が効率的なこと。だからとても東京に住みたい。・日本人は自分たちの仕事にとても誇りを持っている。
・何度も日本に行ったことがあるけど、働いている人の熱意と安全対策にはいつも驚かされる。ホームドアは素晴らしいね。
・「出身地の交通機関はどうか?」ってみんな言ってるけど、清潔で信頼できる地下鉄の最も重要なピースが乗客であることを理解してないよね。まず人を直さないと地下鉄は直せない。
・日本に行った時、駅が空港みたいに慌ただしくて清潔で驚いた。日本の文化から本当に多くを学ぶことができる。には、以下のようなコメントが集まっている。
・ロンドンでは地下鉄は2時間41分遅れで到着する。きっかり運転士の計算通りだ。
・日本人が世界のすべての鉄道を走らせるべきだ……。
・「日本では1分以上の遅れは遅延」というのが日本の進歩と規律について多くを説明してる!
・日本と日本人のやることにはすべて規律があって本当に驚く。
・カナダにいる者だけど、日本の公共交通機関とその労働倫理にとても感心している。素晴らしい!
・日本人は必要に応じて訓練にお金を使うことをいとわないし、技術力がある。
米CNBCは、乗車料金からは少し離れるが、運営面も指摘されている。東京の地下鉄について論じた民営化が大きな違いを生んでおり、継続的な効率化だけでなく、拡張も可能にしたと述べている。
出典HP:New Sphere(2022/5/5)
2023年01月25日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック