「議会中も帰って授乳を」 議長が出産した村議会が規則を変えるまで
一般質問を通告していたのは次谷隆澄議員で、副議長も務めている。質問の内容は、地元のニュースサイトに掲載された永原譲二町長についての記事の真偽など。町議会事務局によると、議会規則では、一般質問の内容は「町の一般事務」に関することとされ、「議長の許可」が必要としている。
丹村咲男議長は「質問内容の一部に問題がある」として次谷氏の質問を許可しなかった一方、「一身上の都合」を理由に8日に議長の辞職願を出した。丹村氏は朝日新聞の取材に対して「体調不良のため」と説明している。
10日の本会議では、次谷氏が議長席に座って丹村議長の辞職願を報告し、了承された。次谷氏は続いて自身の一般質問が不許可になったことに触れ、「一般質問をさせない議会は異常。議会の役割を果たしていない」と批判。本会議の「流会」を宣言して退場した。
他の議員は「後任の議長を選出するのが先決で、流会は認められない」と反発し、次谷氏を除く10人で会議を再開。後任の議長を選出して議事を進めた。
大任町議会では2015年9月議会で2議員が質問に立ったのを最後に一般質問が行われていない。全国町村議会議長会によると、全国調査を集計済みの16〜19年に一般質問がゼロだったのは大任町だけで、大任町議会の一般質問ゼロは全国最長となる。
町幹部は「一問一答の一般質問ではなく、町長も出席する委員会審議の方が活発に議論できる」と話す。これに対し、次谷氏は「町政を担う首長の言動を直接ただすことができるのが一般質問。他の議会のようにやるべきだ」と主張している。
出典HP 2021/12/11
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