英国で2022年10月に初めての国際的なコンテストで開催で日本の紅茶が世界のトップに輝いた!
水よりも多く紅茶を消費する国・英国で、インターナショナルティーコンテスト「ザ・リーフィーズ」が開催、主催は茶類全般の資格授与機関であるUK Tea Academy(UKTA)。UKTAダイレクターのジェーン・ペティグリュー氏は故エリザベス2世女王からBEM(British Empire Medal)を授与された世界的に有名なエキスパートで、「UKティーアカデミー(UKTA)」には「フォートナム&メイソン」や「トワイニングス」など英国内の紅茶会社や、「ザ・リッツ・ロンドン」など有名ホテルの他、インドのダージリンやネパール、台湾、中国から茶園のマネージャーも資格取得に訪れる、世界の茶葉に関した「ティー・プロフェッショナル」の資格認定プログラムを提供する英国唯一の機関。
審査方法は「ブラインド審査」といわれるもので、審査員は目の前のお茶がどこの国の誰が作ったお茶なのかは分かりません。運ばれてくるのは茶葉、茶がら、淹れたお茶の3点。茶葉や茶がらからはいろいろな情報が見て取れますので、これらも大切な審査対象です。
日本の紅茶は「和紅茶」または「地紅茶」とも呼ばれ、最近日本では若い方にも人気が高い分野ですが、まだまだ世界に出回っているわけではありません。日本の現在の紅茶は生産者さんの作り方や目指すところによる個性が大きく、この地方ならこんな味がするべき、という決まったものがありません。紅茶作りに取り組む生産者さんは、さまざまな試行錯誤を重ねて独自の香味を作っているのです。
また、品種が大きく影響するのも日本のお茶の面白いところで、これは世界の中でも特にユニークな特徴です。
和紅茶は知らなくても、紅茶のキャリアが長いエキスパートなら、製造上の問題点などはすぐに分かります。発酵の度合いが低すぎる、乾燥機の温度が高すぎるなどは、舌だけでほぼ瞬時に判断されるのです。香りは素晴らしくても余韻が続かない、しっかりした味が足りないなど、紅茶ファンが選ぶものとプロが選ぶものは多少違いが出てしまう可能性はあるでしょう。
特に渋みは、それを嫌う人に「あっさりしている」と好まれる紅茶もありますが、「紅茶」として評価する場合に“のど越しの良い渋み”は不可欠な要素です。また、淹れたての香りが良くても他に欠けているものがあれば、評価は高くなりません。
今回この和紅茶部門で金賞を取ったのが、熊本県水俣市芦北の「お茶のカジハラ」さんが出品した「夏摘みべにふうき」。さらにすごいことには、全部門に世界から出品された300種類近いお茶の中で、全部門の金賞の中から1点だけ選ばれる「Best in Show」という最優秀賞もまた、カジハラさんの「べにふうき」が受賞したのです!トップに輝いたのが日本の紅茶でした。
評価が全会一致で決まったことからも、カジハラさんの和紅茶が素晴らしかったことが分かります。「べにふうき」の良さを最大限に生かした香り、しっかりと紅茶としての重みを持つ味、そして茶葉そのものの生育や出来の良さに加えて、作る工程も良かった「完璧に作られた紅茶」だったからだといえます。
Report by スチュワード麻子
2022年12月24日
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