めったなことで首脳陣の起用法に口を挟まない大谷が、中6日珍しく自己主張した。現在の登板間隔は今後もこのペースで投げると残り3試合の登板になるが、「あと4試合に投げたい」と訴えたという。日本時間13日のガーディアンズ戦の試合前、ネビン監督代行が明らかにした。そこで本人の意向をくんで、あと4試合に登板する見込みだ。
現在は141回。規定投球回まで21回だから、3試合だと1試合平均7回が必要になる。実際問題として、それが困難だと判断したからこそ、4試合に投げたいと訴えているのだろう。大谷のホンネが投手としての規定投球回数到達にあるのは間違いない。4試合なら1試合平均5回強で、規定投球回に到達する。3試合を5回、1試合を6回投げれば届く計算だ。
大谷はすでに達している規定打席に加え、規定投球回もクリアしてこそ真の二刀流だと考えている。「シーズンを通して両方、きちんとやることが最も大切なこと」といった趣旨の発言もしている。実現すればメジャー史上初。100年以上前に、かのベーブ・ルースは「2ケタ勝利と2ケタ本塁打」を達成したが、それも達成した大谷は、ルースですら達成していない同一シーズンで規定打席と規定投球回をクリアも目指す。
大谷の真の狙いは、世界最高峰のメジャーでも誰ひとりやったことのない、前人未到の快挙だ。
それは、大谷の父親の徹さんが言ってきた「ボク自身、人と同じことをしちゃいけないというのがあって、人と同じことをしても、人と同じようにしかならないとも思ってきましたから子供たちには自分の進路は自分で決めなさいとずっと言ってきました。」を、貫くことになる。この「人と同じことをしちゃいけない」「人がやってないことをやりたい」という姿勢こそ、大谷が受け継いでいる哲学だ。
岩手の花巻東高球児から、直接メジャーに挑戦しようと本気で考えたのも、そして、日本ハムの栗山監督の勧めでプロ入りしたものの、同時に当然のように二刀流に挑戦したのも、いよいよメジャーに入団で二刀流にチャレンジしたのも、みな、この「誰もしたことのない目標の達成」の延長線上にある。
青年よ、大志を抱け!
参照 日刊ゲンダイ(9/15)
2022年09月16日
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