河出書房新社は7日、作家、若竹千佐子さん(68)の小説「おらおらでひとりいぐも」がドイツの文学賞「リベラトゥール賞」を受賞したと発表した。同賞はアフリカ、アジア、ラテンアメリカ、アラブ地域の女性作家のドイツ語に翻訳された作品を顕彰する賞で、日本人の受賞は初めて。
同作は、夫と死別した70歳代の女性が、悲しみから立ち直っていく姿を力強い東北弁の語りでつづった物語で、若竹さんのデビュー作で、2018年に芥川賞を受賞している。千葉県木更津市在住。
岩手県遠野市出身。岩手県立釜石南高等学校を経て、岩手大学教育学部を卒業。大学卒業後は臨時教員を経て専業主婦となる。55歳のときに夫に先立たれ、長男からのすすめをきっかけに、元「海燕」編集長の根本昌夫が講師を務める早稲田大学エクステンションセンターの小説講座に通い始める。
2017年、『おらおらでひとりいぐも』で第54回文藝賞を史上最年長で受賞し、デビュー。2018年、同作で第158回芥川賞を受賞。同時受賞の石井遊佳も、根本昌夫が講師を務める別の小説教室の受講生であった。
黒田夏子に次いで芥川賞史上2番目の高齢受賞となった。
出典 読売新聞9/7
2022年09月10日
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