民間人への被害が拡大していることを受け、「これらの行為は柔道の精神、目的に完全に反するものです。まったく容認することはできません」と記し、ロシアのプーチン大統領を批判した。「ロシアのジェノサイド(大量虐殺)、非人間的な行動の数々を報道で見て、侵攻を止める効果はなくても、個人としてメッセージを出すべきだと考えた」と説明した。
山下会長は2000年に来日したプーチン氏が講道館を訪れた時を振り返り、「多くの人が心を打たれる振る舞いだった。今のプーチン氏は別人のようだ」と語った。
「連日報道されるウクライナにおける非人道的な行いの数々、柔道家であるプーチン大統領によるロシア軍の侵攻のニュースを聞くにつけ、心を痛めてきました」と記した。
そしてそれらが、講道館柔道の創始者である嘉納治五郎師範が唱えた「精力善用、自他共栄」(最大限の心身の力を善いことのために用いること、人々や社会と融和し協調すること)の精神を踏みにじる行為であることを強調した。
声明はウクライナの人々への思いをはせた上で、「愚かな行為が一日も早くやむことを願います」と結ばれた。同様の内容の英文も併記された。
国際オリンピック委員会(IOC)委員でもある山下氏は3月1日に報道陣の取材に対し、ロシアやベラルーシの選手らを国際大会から除外するよう勧告したIOCの決定などを支持する考えを明らかにしていた。
出典:ANNニュース(4/11)
ロシア政治を専門とする筑波学院大・中村逸郎教授が12日、TBS系「ゴゴスマ〜GOGO!smile〜」(月〜金曜後1・55)にリモートで生出演。ロシア国内で反戦機運が高まっていると語った。
中村教授によると、BBC(英国放送協会)の世論調査では、ロシア国民の40%がウクライナの軍事侵攻に反対しているという。反戦機運が高まったきっかけは、大統領報道官が「ロシア人兵士がかなり亡くなっている」と発言したことだと指摘。その背景に「ロシア兵士の『母の会』があって、(兵士が)親に戦場の模様を伝えているので、そこからロシア国内に伝わってきた」ことがあると述べ、政府がロシア軍の苦境を認めざるを得ない状況になっていると伝えた。
最後に中村教授は「ここ2〜3週間で国内の状況は変わってきた。プーチン政権の打倒も現実的にあり得る話」ときっぱり。事態が風雲急を告げる可能性を否定しなかった。
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