欧州では英国以外でも一部で感染が落ち着き、ワクチンが普及し、オミクロン型の重症化率が低いのであれば通常の風邪と同じ扱いにして社会を正常に近づけるとの考えがでている。ジャビド保健相は「英国はコロナとの共生を学ぶことについて世界をリードしている」と述べた。スペインのダリアス保健相は12日、「コロナの監視体制を見直す必要がある」と語り、感染の全件把握や、軽い症状の人への検査をやめることを検討していると明かした。
スペインのカタルーニャ州では21日から夜間外出を撤廃する。また、スイスのコロナ対策を担当するベルセ内相も同日、「パンデミックからエンデミックへの転換点に来ているのかも知れない。まだ分からないが、オミクロン型は終わりの始まりかも知れない」と記者会見で語った。コロナをインフルエンザなどのように「エンデミック(一定期間で繰り返される流行)」と位置づける動きがみられる。
参照:(c)AFP/AFP bureaus(1月22日 )、
日経新聞(1/14)
英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は19日、議会に対し、イングランドで現在実施されている新型ウイルス関連の規制のほとんどを来週から解除すると表明。屋内でのマスク着用や在宅勤務、ナイトクラブなど人が集まる場所でのワクチン接種証明提示の義務を撤廃するとした。
英国ではオミクロン型が流行し、1月4日には1日約22万人の感染者が出た。感染者は増えたものの人工呼吸器が必要な患者数は昨年夏からほとんど変わらず、1日の死者数(診断書に記載があるケース)はやや減少傾向だった。入院患者数はやや増えたが、骨折などで入院した際に陽性が判明するケースが少なくなかった。
医療機関や公共交通機関などにも感染者が急増して出勤できなくなることで、影響が出た。今回は隔離期間を短くするなどして対応したが、いよいよ隔離義務をなくすことで、こうした混乱の解消につなげる。
出典:日経新聞(1/19)
米疾病対策センター(CDC)の公式統計によると、1日の新規感染者数の7日間平均は、1月13日に過去最多の約79万5000人を記録した。17日は米国の祝日で、週末や休日は感染報告件数が減ることには留意すべきだが、感染者数は週末に入る前の14日時点ですでに減少していた。特にニューヨーク州やニュージャージー州、メリーランド州など、最初に感染の波に襲われた北東部では減少が顕著だった。一方、ニューメキシコ州やアリゾナ州、ユタ州など西部の一部地域では、依然として感染者が急増している。感染者の絶対数が多いので、オミクロン株の症状は以前主流だったデルタ株に比べて軽い場合が多いので気づかずに入院時にたまたま新型ウイルスに感染していた事例が含まれることから、入院患者数は16万人弱で高止まりしている。ただ、増加傾向はみられず、まもなく減少し始めるとみられる。
出典:日経新聞(1/20)
【サンパウロ=宮本英威】ブラジルの新型コロナウイルスの新規感染者数が1/19、20万5310人と過去最多になったことを主要メディアが共同でまとめた。18日に記録した13万2254人を大幅に上回り、2日連続で最多を更新した。感染力の強い変異型「オミクロン型」が主流で、年明け以降に感染が急速に広がっている。
[オタワ 21日 ロイター] カナダ連邦政府のテレサ・タム公衆衛生局長は21日、新型コロナウイルスの変異株オミクロンの流行がピークを打った可能性を示す兆しが見られる。数日前には、カナダの人口のおよそ61%を占めるオンタリオ州とケベック州の当局者が、オミクロン流行の最悪期は近く終わる可能性があるとの見方を示している。一方、入院者数は依然として急増しており、病院に強い負荷がかかっていると述べた。
[パリ/アムステルダム/コペンハーゲン/ワルシャワ 17日 ロイター]
フランス保健省は17日、新型コロナウイルス感染症による入院が前日から888人増加し、2万5775人になったと発表した。1日の増加としては2020年11月初旬以来の最多となったほか、入院者が2万5000人を超えるのは20年12月17日以来初めて。17日時点の新規感染者は10万2144人。集中治療室(ICU)で治療受けている患者も増加し、3913人に達した。フランス議会は16日、新型コロナワクチン接種証明「ワクチンパス」を導入する法案を可決した。レストランやカフェ、映画館、長距離列車などの公共施設の利用にはパスの提示が必要となる。
フランスではこのところ、1日当たりの新規感染者数は平均約30万人で、当局が発表した最新のデータによると、過去24時間の新規感染者は過去最多の46万4769人に上った。
オランダのルッテ首相は先週14日、感染者が記録的水準に達しているものの、ロックダウン(都市封鎖)を一部解除し、店舗や美容室、ジムの営業を再開すると発表した。オランダでは、過去24時間に確認された新型コロナ新規感染者が4万2000人と、過去最多を記録した。
デンマークでも過去24時間の新規感染者が過去最多の2万8780人に達し、入院者も800人超と、過去1年で最多となった。しかし、入院患者の約3割はコロナ以外の理由で入院したさいに、コロナ陽性が判明したケースだったなど、感染の主流となっているオミクロン変異株感染による症状が比較的軽度にとどまっている様子を踏まえ、コロナ対策として1カ月にわたり閉鎖されていた映画館や美術館などが17日に再開された。
また、ポーランド保健省は、感染第5波に突入したとし、オミクロン株流行に伴う「感染のピークは2月半ばとなる見込みで、ピーク時の感染者は1日当たり約6万人に達する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
https://forbesjapan.com/articles/detail/45291?utm_source=YahooNews&utm_medium=referral&utm_campaign=yahoonews17日(現地時間)、オンラインにより実施された世界経済フォーラム(WEF)の “ダボスアジェンダ”に出席した、米国の感染症権威である米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は、「また別の変異株さえ出てこなければ、エンデミックに転換されるかもしれない。感染力は強いが重症化しにくいものとされているオミクロン株が、多くの人を感染させることにより一種の “自然免疫効果”となり、パンデミックの終息を早めるかもしれないという見方が出ているが、まだ断言するには早いという意味だと解釈される。」と話した。
またファウチ所長は「オミクロン株が新型コロナ大流行の最後の変異株になるとしても、これが新型コロナウイルス全体に対する終息を意味する可能性は低い」と指摘した。つづけて「(パンデミックからエンデミック・土着病への転換を分けるものさしである)統制とは、ウイルスが引き続き存在するがそれが社会において支障とならないレベルで存在するということだ」とし「それが、エンデミックが意味するところにおける私の定義だ。その段階になればマスク着用のような防疫措置は必要なくなり、社会が新型コロナ以前の正常なレベルにある程度戻ることができる」と説明した。
出典:Yahooニュース
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は1/18、スイス・ジュネーブの本部で行われたの記者会見で「このパンデミックは終わりとは程遠い」との見方を示した。さらに「オミクロン株は、概して深刻度が比較的低いかもしれないが、これを軽度の疾病とする見方は誤解を招く」と述べ、同株の軽視は禁物だと警告した。
欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)で予防接種戦略の責任者を務めるマルコ・カバレリ(Marco Cavaleri)氏も、「新型ウイルスがエンデミックの方向に向かっているのは確かだが、すでにその状態に達しているとは言えない」と指摘する。
スペインの疫学者で公衆衛生協会の広報担当を務めるフェルナンド・ガルシア(Fernando Garcia)氏も、現段階で新型コロナウイルス感染症をエンデミックの疾病に分類するという議論は「間違った希望を生む」と警告する。
スイス・ジュネーブ大学(University of Geneva)グローバルヘルス研究所(Global Health Institute)のアントワーヌ・フラオー(Antoine Flahault)所長はツイッター(Twitter)への投稿で、「将来の重症度はまだ分からない。ウイルスの毒性が時間の経過とともに必ず弱まるという法則はない」と指摘。「毒性の進化を予測することは極めて困難だ」との見解を示した。つまり、ウイルスが今後、弱毒性に進化するという見方も、確実な見通しではない。
2022年01月23日
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