【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は12/11、現在のペースで感染拡大が続けば、2か月後には欧州の人口の半数以上が同株に感染する可能性があると警鐘を鳴らした。
一方、米ファイザーの幹部は12月、パンデミックが今後1〜2年継続し、2024年にエンデミックになるとの見通しを示したという。ファイザー社は12月に、ワクチンを3回接種すると、2回接種の場合と比べてオミクロン株に対する中和抗体の量が25倍になることを発表した。
また、米ニューヨーク市では12月末以降、救急医療施設に来院した患者数は7日平均ペースで大きく減少したとし、約1カ月でピークを打った可能性があるとブルームバーグ(日本語電子版)が報じた。バイデン政権は、1月からアメリカの住民に自宅で使える簡易検査キット5億個を国民に無料で配布すると発表した。
南アではオミクロン株の感染は、約1カ月程度で入院期間や重症化率の低さからパンデミック(世界的大流行)が収束する可能性を示唆する報告も出た。また、南アのスティーヴ・ビコ学術病院の研究者らが国際感染症学会誌に報告した研究では、昨年11月中旬以降に入院した466人の感染者と、それ以前に入院した3976人の患者を比較したところ、以前には死亡率21・3%だったのがオミクロン急増時には4・5%だったとした。入院期間もオミクロン株感染者は平均4日後に退院したが、他の変異株感染者は8・8日を要したことから半減したという。現状のパンデミックから「『エンデミック(特定地域で繰り返し発生する感染状況)』の時期に入る前兆になるかもしれない」と指摘している。
日本では、オミクロン感染の急拡大が始まって、浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師は「潜伏期間もオミクロンは3〜3・5日で、風邪をひき起こすコロナに相当近づいている。中国・武漢で発生した当初は5・5日間程度、デルタは4〜5日だった。オミクロンもしくは次の変異株を経て、現行の風邪のウイルスの『5番目』になる可能性もある。南アや英国の研究から、重症化率の低下はほぼ確実だ。」と語った。感染者が減っても、これまで日本国内では皆がマスクを着けている。無症状者を含め、マスクを着けていることが感染拡大の防止に有効だ。つまり、「自分も感染者かもしれない」と思って、もうしばらく、散歩でもマスクを持って出る、人と会えばマスクは着けてほしい。
矢野氏は、3月に「東京で1日5000人」という試算もあるが、新型コロナ禍の年内収束も視野に入れつつ、「オミクロン株の世界での急速な拡大状況を踏まえると、もしもインフルエンザの流行と重なれば、医療現場の逼迫が加速し、厳しい状況が予想される。国内で大きな流行となるのであれば、ピークは1月下旬か2月上旬ごろではないか。ただ、「第5波」とは異なり、今は多くの県民がワクチンを接種済みなので、重症者は出ず、3月ごろに収束するのではないか。だいたい3回目接種で抗体価は10倍上がります。こうなるとさすがに感染できなくなる、マスク外しても感染しないし、これを年に1回やっておけば、ブースト(圧力)かかり、我々は免疫がしっかり着くと思う。ワクチンの3回目接種拡大や経口薬の承認といった条件がそろえば収束する可能性もある。そうすれば6〜7月ごろに、より感染力が強く、短い潜伏期間で重症化しづらい変異株の波が発生する「第6波」は来ると思うが、小規模で終わることを願う。」
最後に矢野医師の見解を示しておきたい。「私は7、8月までには、新型コロナは外来で対処できる風邪になっていると、予想しています。コロナは流行しても、ただの風邪でしかなくなっていると思います。ただし、指定感染症であることが、コロナを外来で診られる病気にするうえでネックになっている。3回目のワクチン接種と並行して、指定感染症を外す議論を進めていくべきです。今年はコロナ禍に区切りをつける年にしなければなりません。そして、今年の夏は身体的距離の確保も不要になり、大人数での宴会などもコロナ前のように楽しむことが可能になる。マスク着用の是非に関する議論が浮上してもおかしくない。」との見立てを示した。
参照:静岡新聞(2021/12/26)
2022年01月13日
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