欧州連合(EU)欧州議会は8日、来年2月の北京冬季五輪について、中国政府が香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害を改善しない限り、政府代表や外交官の招待を辞退するようEUや加盟国に求める決議を採択した。
北京五輪をめぐっては米英でも人権侵害を理由に政府関係者の式典などへの参加見送りを求める声が出ており、中国への圧力が高まりつつある。
決議では、特に香港紙・蘋果日報(リンゴ日報)を廃刊に追い込んだことについて「最も強い言葉で非難する」と表明。「香港の自由社会解体と、メディアや表現の自由廃止をまた一歩進めた」と中国政府を批判した。
さらに記者への脅しをやめ、恣意的に拘束した人々を解放するよう香港当局に訴えたほか、中国政府には国家安全維持法の撤廃を要求。一方、EU加盟各国に対し、香港における人権侵害の責任者や関連団体に制裁を科すよう促した。
中国外務省の汪文斌副報道局長は9日の記者会見で、決議について「まったく注意を払うのに値しない」とだけ述べ、強い不快感を示した。
出典:ブリュッセル、北京時事(7/9)
2021年07月09日
この記事へのコメント
コメントを書く