これまで、ワクチンに不安がないのかも大きかったと思うのですが、ちゃんとヒトからの大規模データを得て、治験に10年かかるような国内の事情を待つまでもなく、イスラエルなどの結果もすでに出ており、さっさと正しい判断をするためにも、一読はおススメです。
必要以上に悩まない不安解消になる本なので、一部分をご紹介します。
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日本の皆さんは、社会のため、他の人のために、自らの正当な欲求を抑えて「自粛」し、マスクと手洗いを励行した結果、幸い、例年より死亡したヒががどれくらい多いか少ないかという「超過死亡者数」で見たところ、日本は新型コロナが流行した年において、日本は世界でダントツのマイナスで超優等生だとの評価です。
今までも、結果的に上手くやってきて、治験もそろったワクチンが輸入できるようになり、これに二の足を踏む必要もないという。マスク、手洗いを馬鹿にしていた人たちが欧米に多くあったが、それもその成果を理解するようになった現時点で、マスクをしないと過料を科すという国まで現れた。蔓延したウイルス対策にそうした国々での後手策としてワクチン接種での効果が明確になり、副反応や死亡例などがゼロではないものの、ワクチンにどれだけ信頼性を寄せられるものか、根拠も明らかにされるようになってきた。以下、本書で扱われたインタビューの一部を転載です。
フィナンシャル・タイムズ https://www.ft.com/content/a2901ce8-5eb7-4633-b89c-cbdf5b386938
ジョンソン首相や保健相は本当に慎重な言い回しをしています。「maybe」とか「it's not have evidence」、もしかしたら、証拠はないけれども、という言い方をしているんですけど、ところが、報道されるときにおいて、そこを省いたり、一部を切り取ったりしたんですね、多くの媒体で。
BBCは結構頑張っていて、全体を出したりいろいろな人にインタビューをして脇を固めていて、サイトからはソースにちゃんとリンクが飛ぶようになっている。WHO(世界保健機関)が報道に求めている「State the source」「Define the terms」「Clear language」を守って、非常によくまとめて書いてはいると思うんですね。
編集Y:じゃあ、それを2次報道するところで枝葉というか、大事なところがすっ飛んだ面があるいうことですか。
峰:そうです。まぁ英国の政治家が危機意識を国民に持ってほしいという思いがあるのは事実だとは思うのです。だから強い表現が目立ったのかもしれない。同様に、日本のメディアはどこも大事なニュアンスや意味合いについての詳細をすっ飛ばしましたね。
編集Y:……。
「新型コロナウイルスは変異するぞ、だから怖いぞ」じゃなくて、「ウイルスならば変異して当たり前」という理解でいいでしょうか。
峰:その通りです。変異は当然するわけです。変異した中で、より宿主の体などに適しているタイプのものが増殖しますし、うつりやすければより広くうつる、ということになるんですね。
例えば今日、東京のある繁華街で感染した人から変異ウイルスが見つかった、とします。そして、その変異ウイルスがばーっと広がったとします。でも、そのウイルスが本当に「パワー」を持っているからわっと広がったのか、広がりやすい行動を取る人がその繁華街に集まっているからなのか、というのは分からないですよね。
「接触を8割減らす」という説もあるが、人と会う時間を8割減らすのか、回数なのか、距離なのか。実はその具体的な行動の説明はできないし、されていない、科学はまだそのくらいのものである、という。
なので、「新型コロナの感染力が急増した」と現時点で真に受けて不安になり過ぎる必要はない。増えている理由の一つを示唆しているという意味では重要ですし、リスクアセスメントの観点からは警戒した方がよく、広がらないようにするのが大事なのは事実ですが、実際に起こっていることは「神のみぞ知る」ですよ、これは。
新型コロナはインフルエンザウイルスに比べれば変異の状況が少ないです。そもそもRNAウイルスというのはDNAウイルスに比べると変異が速い(多い)のですが、コロナウイルスのRdRpには校正機能といって、エラーを見つける機能がついているのですね。なので、インフルエンザウイルス(RNAウイルスです)などよりコロナウイルスの変異は相対的に少ないのです。そこはワクチンにとってはラッキーな面でもありますね。
人間社会の中だけでなく、自然環境の中でも変異が起こっていますし、大きな変異が出ることはいくらでもあります。例えば今回の新型コロナウイルスはたぶんどこかでそういうとんでもない変異を起こして、どういう変異かというと、動物だけでなくヒトに感染するようになったと。
まず、減らさなければいけないのは変異ウイルスの増加ではなくて、流行そのものなんです。なので、手洗いうがいに睡眠栄養、そして人混みに出かけない、3密回避と換気ですね。流行が拡大していればなおさら、基本対策がより重要になる、ということです。
編集Y:変異ウイルスに注意がいって、できることは何もない方向でパニックを起こすよりも、そもそも地味だけど有効な感染防止の対策があるんだから、そっちを強化するようにしろよと、そういう話ですよね。ありがとうございます。よく分かりました。
峰:得たデータを見て、打つ価値があると判断できました。出てきた情報を見たら、安全性・効果いずれについても、その他のデータについても、どれも唸らされるものでした。最終的な後押しになったのは12月11日のFDA(米国食品医薬品局)の諮問委員会の審議です。審議はYouTubeで公開されていたんですけれども、それを全部見ていました。
本当にサイエンティフィック(科学的)にみんな真摯に、批判的レビューも加えて投票も公開で賛成17、反対4、棄権1。あらゆる角度から、エシカル(倫理)な面も分子生物学、毒性学とかの視点でもよく検討されています。これだけの数のヒトに打たれたもので、科学者も非常に厳しい目で見ている中で開発されたのであれば、まあ、これ以上のものはこの速度では望めないと思いますね。もちろん、これは私自身の判断で、どなたかに強制するものではまったくありません、念のため。
出典:日経ビジネス https://news.yahoo.co.jp/articles/317ef90fd98c4e0542d8ae5be5119e050e3ea10e
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