文氏は1月の記者会見で、元徴用工訴訟で原告らが差し押さえた日本企業の資産売却を「望ましくない」とし、慰安婦問題での日韓合意を「公式合意と認める」と明言した。“過去離れ”を呼びかけた1日の演説はこれに続き、日本への歩み寄りを示唆するものとなった。文氏は日韓を「あらゆる分野で互いに重要な隣国」とし「過去数十年間、両国は分業構造を土台に共に競争力を高め、韓国の成長は日本の、日本の成長は韓国の発展への助けとなった。今後もそうだろう」と強調。背景には、韓国が直面する経済低迷の長期化といった問題の深刻さを文氏が認識していることがありそうだ。文政権には言葉でなく、具体的な行動こそが求められているのは言うまでもないが、後のまつりでしかない。
文氏が今年夏の東京五輪・パラリンピックを、日本や北朝鮮との対話の場にしたいと考えている事情もある。この状況で日本との関係をさらに悪化させ、日本国内で嫌韓感情が高まれば韓国には何の利益もない。任期が1年余りとなった今、文氏はようやくこの現実を悟り、心情を吐露したようだ。
出典:産経新聞(3/1)
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