韓国には「慰安婦被害者法」という法律まであって、「日本帝国によって強制的に動員され、性的虐待を受けて慰安婦としての生活を強要された被害者」として元慰安婦240人が登録されている。被害者になると国家から生計給与、医療費給与、生活安全支援金、看護人支援、葬儀屋祭祀(さいし)など手厚い支援が与えられている。
ところが、金所長が調べたところ、この法律が定義する「日本軍慰安婦被害者」に該当する者は一人もいないということが判明したというのである。われわれ、慰安婦問題を研究してきたものからすれば、当然のことであるが、今や韓国の研究者が公然と主張するようになってきているということである。
一昨年、李栄薫(イ・ヨンフン)元ソウル大学教授のグループによる『反日種族主義』(文藝春秋)のタイトルで、それまでの「反日」論の虚構を根底から批判する画期的な本が出版され、10万部という大ベストセラーとなった。
金所長のように慰安婦像撤去運動、そして慰安婦被害者法批判を行うまでに進んできているのである。金所長のグループは2月24日、監査院に対して不当な慰安婦への税金支給の実態調査を要求した。375人の請求者名簿も付けられ、監査院前では記者会見も開いた。何しろ、法の定義する被害者がいないと主張するのであるから、被害者への国家資金の供与は、補助金管理に関する法律に違反することになるわけである。
法律では、「ウソの申請やその他不正な方法で、補助金の交付を受けたり、その事実を知りながら、補助金を交付したものに対する罰則規定がある。違反すると、10年以下の懲役、または1億ウォン(約960万円)以下の罰則に処せられる」ことになっている
さらに、補助金の受け取りはすべて虚偽の登録による違法行為として、元慰安婦の代表格とされる2人を1月27日、ソウル鐘路(チョンノ)区警察署に刑事告発しているという。
もし、金所長の主張に沿った調査や捜査、裁判が行われれば、間違いなく「有罪」となるはずである。そうなるようなら、韓国の将来も捨てたものではないということになるだろう。
■茂木弘道(もてき・ひろみち) 1941年、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、富士電機、国際羊毛事務局を経て、90年に世界出版を設立。「史実を世界に発信する会」会長代行。「近代史検証会」代表。国際歴史論戦研究所理事。著書・共著に『大東亜戦争 日本は「勝利の方程式」を持っていた!』(ハート出版)、『日米戦争を起こしたのは誰か』(勉誠出版)など。
出典:夕刊フジ(4/7)
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