日本選手権の女子100メートルバタフライ決勝が行われ、池江璃花子(20)が57秒77で優勝した。
メドレーリレーの派遣基準は57秒92で、この決勝で池江が出した57秒77は、メドレーリレーの派遣タイム57秒92を切っての優勝のため、メドレーリレー代表としては基準を満たしメドレーリレーの代表を確実にした。
東京五輪の派遣標準記録は57秒10に設定されているので、個人種目としての女子100メートルバタフライの派遣には至らない。
白血病が発覚するとメディアでは治療法が報じられ、SNSには数多の応援コメントが寄せられ、骨髄バンクにはドナー登録を希望する問い合わせが殺到した。辛いと抗がん剤治療 を続けていた池江は2024年のパリ五輪出場を目指していた。退院後は病気でのブランクもあり「覚悟をしています。パリに出られなかったとしても次があると思っています。自信があるわけじゃないですが、パリが今の一番の目標」と語っていた。病気を通じ「病気になって水泳ができなくなって、水泳をするのが当たり前だったし、ここにいる、っていうのが当たり前になっていたけれど、ここにいることが奇跡だし、生きていることが奇跡っていういう風に気持ちが変わりました。病気になってよかったとは1ミリも思わないんですけど、学んだことが多いから、どういう気持ちで生きていくべきなのかっていうのを考えさせられたので、自分の人生にとってすごく大きなターニングポイントになるんじゃないかな、と思っています。病気の方たちにとっても希望を持って治療を持って励んでほしいし、とにかくここまで元気になれた人間がいるんだから、あなたも元気になれるよということを伝えたいと思います」とコメントしていた。
今回の復帰戦のタイムによりリオデジャネイロ五輪に続く2大会連続の五輪出場が内定した。長く日本代表を率いる平井伯昌監督は、池江のラストスパートに驚いた。「準決勝では最後の2、3かき、腕が上がらなくなっていた。今日は力を抜いて、ひとかきしないで、伸びてタッチしていた」。池江の強さを見てきた。「天才的なところがある。力を出し切る能力。努力と集中力。その能力は一つも変わっていない」
バタフライ優勝、そしてメドレーリレー派遣への快挙、おめでとうございます。くれぐれも体調に気をつけて、一歩一歩、復活の夢を実現してください。
2021年04月04日
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