韓国外交省が3月29日に外交文書を公開した。1990年5月の盧泰愚(ノテウ)大統領(当時)訪日に先立ち、天皇陛下(現在の上皇さま)に植民地支配をめぐる「具体的で強いおわび」を求める方針を立てた韓国政府内の討議の様子が詳しく記されていた。
文書は同年4月に作成された内部資料。宮中での歓迎晩餐会の場でのおわび発言について、84年の全斗煥(チョンドゥファン)大統領の訪日時より「さらに具体的で強い内容になるよう交渉する」と記されていた。そのうえで天皇陛下への訪韓要請と「連携して対応する」とした。文書で韓国外務省(当時)は「未来志向の関係のため」にはおわび発言が必要だと指摘。実現しない場合、「韓国国民は決して納得しないだろう」と強調した。
全氏の訪日時、昭和天皇は植民地支配について「誠に遺憾であり再び繰り返されてはならない」と語った。90年に盧氏が訪日した際、天皇陛下(現在の上皇さま)は「貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、痛惜の念を禁じえない」と述べた。韓国側はこれを十分だと判断したようで、盧氏は日本滞在中、天皇皇后両陛下に韓国訪問を要請していた。
出典:朝日新聞(4/2)
2021年04月05日
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