2021年02月18日

ファミリー層などに人気が出るまち

 テレワークの普及によって出社頻度が下がった企業では、都心から郊外へオフィスを移転したところも多い。さらに、これからのオフィスには、デスク同士の間隔を十分に確保できるだけのスペースも求められるだろう。そう考えると、家賃、広さ、都内へのアクセス面で申し分ない川崎は、ウィズコロナ時代に「企業がオフィスを借りたい街」としても、人気を集めるかもしれない。

たとえば、転居先を探しているときに知り合いから「川崎がいいよ」と薦められたとしよう。この場合、武蔵小杉、新百合ヶ丘、溝の口、川崎大師、どこを指していたとしても、すべてが「川崎」に該当する。そのため、提案を聞いた側は、ひとまず住宅情報サイトで「川崎」と検索してから、徐々に自分の求める条件に合わせて、エリアを限定していくようになるわけだ。

「すると、当然『川崎』の検索数は増えますよね。LIFULL HOME'Sさんの『住みたい街ランキング』は、サイト内の検索数と問い合わせ数が多い街を集計したランキングです。ですから、川崎の特殊性を考えると、上位に来ることは納得の結果といえます。とはいえ、区ごとの特性とデータ集計のロジックだけで、「住みたい街」の上位に入っているわけではない。川崎には人々が住みたくなる利点が十分にある。

「工場跡地の再開発として建設されたマンションは、物件価格が安い傾向があります。というのも、工場はどこも水が必要不可欠なので、川の近くに建てるんですよ。川沿いは本来、人が住みやすい場所ではないので、そもそも土地の値段が安い。そこを一括で取得するため地権者ともめづらく、さらに土地、ひいては物件価格の相場を下げられるわけです」

 工場跡地は、人々が日常生活を送ることを考えると、いささか不安定な土地だ。しかし、現代の土木建築技術の進歩により、その不安を解消した土地の利用転換が行われている。

「郊外でも同じ距離帯に比べて物件が広く、きれいでお得に感じやすい点も特長です。そのため、若い人やファミリー層から人気を集めています。ファミリー層が増えれば、スーパーやドラッグストア、子育て支援施設といった生活利便施設が充実するのです。その充実ぶりは、JR川崎駅直結の商業施設『ラゾーナ川崎プラザ』がファミリー向けのテナントを多く入れているところにも表れています」

 さらに、交通利便性の高さも魅力だ。川崎市のメインターミナル駅であるJR川崎駅には、東海道線、京浜東北線、南武線の3線が乗り入れ、都内へも横浜へも出やすくなっている。さらに、JR川崎駅の近くには京急川崎駅も存在し、こちらには京急本線と京急大師線の2線が乗り入れている。

「1時間もあれば都心に出られるので、都心に通勤する人にも人気が高いです。川崎は、物件価格やお得度、周辺施設の利便性、そして職場への距離を踏まえて条件に合った物件を探したとき、マッチする人が多い街なのです」

 そんな川崎では再開発が盛んに行われている。現在JR川崎駅西口では「KAWASAKI DELTA」という大規模複合型の街づくりが進んでおり、2021年4月に全体が完成する予定だ。

 こうした再開発により、川崎は「住みたい街」としての地位をより確固たるものに押し上げることができるのか。鳴海氏は「『住みたい街』への影響は、それほどないのでは」と話す。

「現在川崎駅西口で進んでいる再開発は、JRが元々自社で持っている遊休地を利益物件化するための再開発です。JRはかねて鉄道7割、関連事業3割という事業比率を半々にしたいと考えていました。そのために進められているのが今回のような再開発で、主にB to Bで利益を生み出そうと考えているのです」

 今回の再開発のメインターゲットは、住民というより、オフィスを必要としている企業だという。

「KAWASAKI DELTAに建設されるオフィス棟こそ、今回の再開発のメインです。今、川崎にある工場のハイテク化が進むなかで、オフィス需要が高まってきています。遊休地に立つオフィスビルなら事業費が安くすみ、賃料も安くなるので、そこにオフィスを構える企業が増え、就業者数が増えるのではないでしょうか」

 オフィスビル内には保育施設やカンファレンスを用意する上、ホテルを隣接することで遠方からの客を呼びやすいというメリットも。

「昨年11月に開業した渋谷スクランブルスクエアも、地下7階から地上47階まである超高層ビルですが、その大半を占めているのはオフィスです。昨今の再開発で建設されたビルの7割以上はオフィスフロアで、オフィスの賃料というB to Bによって利益を出しているケースが多い。そのため、今回の再開発は、川崎にビジネスの拠点を置こうとしている人にこそうれしい計画となるはずです」

 もちろん、住民を蔑しろにしているわけではない。商業棟にはフィットネス&スパやカフェ&レストランが入るほか、住民の憩いの場となるオープンスペースも設けられる予定だ。また、就業者が増えれば近隣の店にも好影響となるだろう。回り回って、川崎駅周辺の活性化につながるはずだ。


出典;Diamond Online (1/10)

posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
カテゴリ
日記(3742)
ニオュ(0)
歴史(0)
chiba(60)