現代の多くの人は「日本はいつ、誰が作ったかなどと教えられたリしません。
一方、欧米の学校では子どもに新約・旧約聖書やギリシャ神話を教えているというが、日本の神話は天皇につながる国造りの話になっているので、戦前のように積極的に学校で教えるなどはない。
日本でもっとも古い歴史書、古事記のクライマックス「天孫降臨(てんそんこうりん)で、太陽の女神と書かれているのは、「天照大御神(あまてらすおおみかみ)につらなる、つぎのような展開になっている;
イザナギという権威ある神が、その妻イザナミと共に「天の浮橋」の上に立った。
イザナギは、眼下に横たわる海面を見下ろした。
やがて彼は暗い海の中にに、宝石をちりばめた槍を降ろした。
その槍を引き戻すと、槍の先から汐のしずくが落ちた。
しずくが落ちると、次々に固まって、島となった。
このようにして日本誕生の伝統が生まれた。
またこの伝説によると、イザナギは多くの神々を生んだ。
その中に一人の太陽の女神があった。
女神は孫のニニギノミコトを地上に降り立たせ、新しい国土を統治することを命じた。
ニニギノミコトは大きな勾玉(まがたま)と、神聖な剣と、青銅の鏡の3つを持って、九州に来た。
これらはすべて、彼の祖母から贈られたものであった。
これら3つの品物は、今日もなお、天皇の地位の象徴となっている。
ニニギノミコトはジンムという曾孫(ひまご)があってこの曾孫が日本の初代の統治者となった。
それは、西暦紀元前660年2月11日のことであった。
戦前まで日本人はこのような神話を語り継いできた。
この神話は、日本人もその統治者も、国土も、神々の御心によって作られたということの証明に使われ、そして
『裕仁天皇は、神武天皇の直系で、第124代に当たるといわれる。かくして日本の王朝は、世界で最も古い王朝ということになる。』
という風に教えられたのです。
九州と言っているのは、日向の高千穂の峰。
現在の宮崎県のことになります。
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