北半球のマリモは、全てが日本の湖のマリモを起源とする可能性が高いことが、釧路市教育委員会マリモ研究室の研究によって、2011年12月判明したとのこと、テレビの特集番組でみた。マリモの生息する阿寒湖は北海道で5番目に大きい淡水湖だ。渡り鳥などが、他の地域へマリモを運んだ可能性が高いと推測される。日本国外では、ミーヴァトン湖やエストニアのオイツ湖などで球状の集合体が確認され、ヨーロッパ北部の諸国・ロシア・アメリカなど北半球に広く分布している種であることが近年分かってきた。阿寒湖に生育するマリモは、美しい球状体を作るため日本の特別天然記念物に指定されている。阿寒湖は、道東を代表する観光地となっている。
しかしながら、長い歴史の中で世界中の湖沼の水質汚染が進み、消滅した湖が多いのも知った。我孫子市は市境南面に手賀沼が沿うように位置し、北側は県境に利根川が流れる。そして、鳥の研究をする国際的な研究機関・山階鳥類研究所があり、その関係で全国唯一の市立鳥の博物館がもある。お陰で、市民にも鳥への関心や水質に関心を持つ人が増えてくる。天皇陛下は、水の研究をされておられるが、皇嗣・秋篠宮殿下は鳥類研究所の名誉総裁を務められ、また妹君は研究所で勤務されていた時期があり、ご結婚前に美しい鳥類研究の本を刊行された。市民図書館には、彼女の著書「ジョン・グールド鳥類図譜総覧」などが収められて、貸出可能であるから、我孫子市民は鳥や水辺の自然環境に関心が高まっていくようだ。
釧路市にある阿寒湖は水の清澄度が世界有数に高い、残念ながら、我孫子市にある手賀沼は一時ワーストワンにまでなっていた。人口増加、家庭雑排に問題があると、下水の整備を進め、水質管理をし、上水を流し込むなどによって改善をはかっているが、昔のような水筒にいれて飲んだとの域には戻らない。
かつてマリモが現存する世界最大の生息地であったアイスランドのミーヴァトン湖は、2010年代に入り水質汚染などが起きたため、阿寒湖の北側チュウルイ湾が世界で唯一の球状マリモの群生地となっている。釧路市は、阿寒湖の世界自然遺産登録を目指している。我孫子市の手賀沼課も成果を出してもらいたい。
2020年08月22日
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