日本では緊急事態宣言の全都市解除(5/26)となった後、月末に北九州市の小学校で5人の生徒の感染がわかり、クラスター化の認定がされた。
一方、スウェーデンはこれまで世界初の新機軸を次々に打ち立てて、「社会科学の実験国家」ともいわれてきた。4月30日、世界保健機関(WHO)のエグゼクティブディレクターであるマイク・ライアン博士は、スウェーデンのコロナの集団免疫対応は発生の最初からすべての正しい動きをしたとし、同国を新型コロナウイルスとの闘いにおける世界の"モデル"として賞賛した。
スウェーデンの保健当局である公衆衛生局のアンダーシュ・テグネル博士は4月16日、首都ストックホルムでは集団免疫が達成しつつある兆候を示し始めており、感染抑止に効力を発揮し始めたと言及した。5月7日、ストックホルム・リンケビー地区では、アル=シャカージ医師が「この地区では集団免疫がほぼ達成されたようだ」と報告した。
そして5月9日には、ストックホルム大学のトム・ブリトン教授が、英ノッティンガム大学との共同研究で「スウェーデン人口の40%が免疫を持てば集団免疫が達成でき、ストックホルムでの感染の拡大は6月中旬に止まる」ことを示す数理モデルを示した。テグネル博士も「これが実現するのは完全に可能だ」としてこの論を支持している。ブリトン教授によると、リバプールの別のグループもこれとほぼ同じ結論に達している。ハーバード大学の著名な疫学者であるマーク・リプシッチ氏もこの報告に言及し、前向きにツイートした。公衆衛生局は、集団免疫の進展具合に関する調査報告を5月中に発表するとしている。
スウェーデン以外でも、例えばイタリアでは4月24日、1日のコロナによる死者数が3月19日以来の最低数を確認したと報告された。これも明らかに、集団免疫が達成しつつあることを示していると言える。
スウェーデンは、米国や他欧州国からの同調圧力には屈せず、自国の状況に最善と判断される対策を毅然として実行しているのだ。ほとんどの国民は、政府に大きな信頼を寄せ、この施策を信じ国の未来を見ている。そしてこのたびも、「集団免疫の獲得」という、国民の多数の命がかかった壮大な実験を行おうとしている。レナ・ハレングレン保健社会相は、世界保健機関(WHO)主催の会見で「我が国は自国の状況に最善と判断される対策を実行しているのです」と言明している。
とは言え現実的には、集団免疫策が本当に正しい方法なのかどうかは今の段階ではまだ不透明だ。コロナ危機がどう収束し、コロナ終焉後の世界がどうなるのかは誰にも予測できないからだ。しかし、多くの若者が亡くなったかつての大戦時と違い、コロナウイルスの危機は若者が亡くなる事は少ないので、社会の再生はより容易なはずだ。
出典;現代ビジネス(5/29)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ea238aae186824804d592f69fb89929f4edfbba?page=4
年金は誰もがいずれ関わる重要な制度ですが、近年、日本ではいわゆる年金未納問題や主婦年金問題など次々と年金に関する問題が露呈、将来的な不信感が募るばかりです。
社会福祉国家として先進的な歩みをしてきたスウェーデンでも「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」で最も評価が悪かったのが年金制度が持続可能かどうかを問う「持続性」だった。このまま保険料を納め続けても実際にそれ相当の年金が受け取れるのかという疑問は、保険加入者の方々が現在最も不安に感じている事柄でしょう。
しかし、スウェーデンも、国民年金の大部分を現役世代が高齢者を養う賦課方式部分が占めているので、高齢化が進めば年金制度の持続性が揺らいできます。50年前には約11%だった65歳以上の人口も現在は約18%、さらに今後50年で約27%にもなると言われているのです。ラインフェルト首相の提案の裏には、国民が40歳、50歳を過ぎても転職しやすい世の中をつくりたい、という意図もあります。しかし、この発言は現在多方面で波紋を呼んでおり、今後の議論に注目が集まります。
この国の高齢者政策の最重要原則の一つは、「公的施策は、高齢者がたとえ広範な医療や社会的介護を必要とする場合でも、出来るだけ長く自宅で生活して行ける方法をとるべきだ(スウェーデン政府内閣府 ファクトシート 社会保健省)」ということです。
歩行器を使って散歩する高齢者の姿は、天気の良い日の定番風景と言っても過言ではない。
スウェーデンは早くも1970年代から、在宅介護サービスや在宅医療に力を入れ、より多くの高齢者が自宅で安心して生活を送れるように努めてきました。また、エーデル改革の成果もあって、特別住宅や24時間態勢の在宅介護サービスが更に広がりました。全国医療福祉委員会(Socialstyrelsen)によると、2011年10月1日現在、65歳以上の高齢者のうち特別住宅に入所している人は5%、80歳以上に限っても15%ほど。一方で、在宅介護サービスは、その数値が65歳以上は9%、80歳以上は24%になります。つまり、高齢者の95%は自宅で生活を営み、必要となれば在宅介護を依頼しているということになります。
この在宅介護サービスも、高齢者の世話を丸ごと引き受けるのではなく、出来る限り本人が活動的に生活を送れるようにサポートすることを第一としています。
スウェーデン紙ダーゲンス・ニューヘテル(Dagens Nyheter)のインタビューで語ったもので、退職年齢の引き上げなしには福祉制度が立ち行かなくなる、と述べました。
年金は誰もがいずれ関わる重要な制度ですが、近年、日本ではいわゆる年金未納問題や主婦年金問題など次々と年金に関する問題が発覚し、不信感が募るばかりです。前出の「メルボルン・マーサーグローバル年金指数」でも最も評価が悪かったのが年金制度が持続可能かどうかを問う「持続性」。このまま保険料を納め続けても実際にそれ相当の年金が受け取れるのかという疑問は、保険加入者の方々が現在最も不安に感じている事柄でしょう。
しかし、スウェーデンも、国民年金の大部分を現役世代が高齢者を養う賦課方式部分が占めているので、冒頭にもあるように、高齢化が進めば年金制度の持続性が揺らいできます。50年前には約11%だった65歳以上の人口も現在は約18%、さらに今後50年で約27%にもなると言われているのです。ラインフェルト首相の提案の裏には、国民が40歳、50歳を過ぎても転職しやすい世の中をつくりたい、という意図もあります。しかし、この発言は現在多方面で波紋を呼んでおり、今後の議論に注目が集まります。
出典:Wedge (2012/2/14)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/1709?page=3
2020年06月01日
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