著者のアンドルー・ワイルは、統合医療の専門家です。
統合医療とは西洋近代と補完代替医療、すなわち漢方や食事療法を組み合わせた全身医療です。ともかく東西の医療知識を網羅した、解り易く納得できる解説です。特に食すべきもの、いけないものの知識は必須です。折角ですから、彼の食に対する助言を紹介しておきましょう。
まず油脂には、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸という2種類の多不飽和脂肪酸があり、適切な割合で摂取する必要があります。炎症を抑えるオメガ3脂肪酸は摂取が少ないので、これを増やすやす必要があります。まず種子(クルミ、亜麻、麻の実)、植物油(大豆、キャノーラ)、海草、魚(サケ、イワシ、ニシン、サバ、ギンダラ、ムツ)です。
食べてはいけない油は、菓子に使われるショートニング、マーガリン(絶対食べてはいけない)、酸化しているファーストフードの揚げ物です。紅花油、ひまわり油、コーン油、ごま油、大豆油は、オレイン酸入り以外は控えること。今、市販されている大手のものはオレイン酸が含まれている製品が多いと思います。むしろ、自然食品の店の製品のほうが含まれていないかもしれません。さらに高温にした油、したがって天ぷら・フライの後の油は捨てる!お勧めはエキストラバージンのオリーブ油です。
次に炭水化物は、グリセミック指数の小さいもの、すなわち、ゆっくり糖として吸収されるものをとることです。したがって摂ってはいけないモノは、砂糖、特に白砂糖、パン、ポテト、菓子、ケーキ、スナック、白米(うどん、ソーメンは粉食のため白米より悪い)・・・・を摂らず、全粒の穀物、例えば玄米、豆類、そして野菜、果物(熱帯性よりも温帯性のベリー類、チェリー類、リンゴ、ナシ・・・)を摂ることです。
蛋白質については、動物性蛋白を避け、肉より魚。魚は食物連鎖の上を避けることと、底魚を避け、PCB、ダイオキシン等の毒物を摂取しない、出来るだけ植物性蛋白にする。すなわち大豆、豆類を撮るということです。何しろすでに紹介したように、牛乳の蛋白はがん細胞を活性化しますし、動物性油脂は乳がんとの相関係数が0.8-0.9ですから。
微量栄養素をとるために、もっとたくさんの果物と野菜を摂ること、アントシアニン、カロテノイドをすくむ赤、紫の果物です。ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、さくらんぼ、ブドウ、ザクロ、赤キャベツ、ビート・・。ここでホットしますね、赤ブドウすなわち赤ワインは飲んでいいようです!日本にはもっと多様な果物がありますので、これ以外の果物もいいでしょう。野菜は全て良いのですが、カテロイドを摂るのにホウレン草、トマト、カボチャ、サツマイモ、人参と緑黄野菜ですね。チョコレートも、砂糖なしのダークチョコレートは許されるようです。あと白茶、緑茶、ウーロン茶もポリフェノールの供給源です。最後に、ウコンと生姜にあるクルクミンは、抗消炎作用があるのでもっと料理に使った方がいいと言っています。
これらを上手く取り入れて、敬老の日、春分の日を過ごして、連休明け、秋めく日々に対処していきましょう。
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