2020年05月08日

BCGとコロナの関係

結核予防として各国で接種されてきたBCGといえば、日本では0歳児へのハンコ注射として知られる。「BCGワクチンを接種している国とそうでない国では統計的に死亡率が異なっています。特に、日本株とソ連株の効果が強く、デンマーク株では効果が薄いように見えます」と解説するのは、大阪大学の宮坂昌之名誉教授。一見、無関係に見えるコロナに効くという「仮説」を理解するにはまずその歴史をひもとかねばならない。

「BCGはフランスで初めて作られ、それがすぐに日本とソ連に分与されたので、日本株とソ連株の成分はほとんど一緒です。一方、デンマークに分与されたのは、日本やソ連に比べ、10年ほど遅かった。その間に遺伝子変異が起こって、日本株とデンマーク株では成分に違いが生まれました。それが、ウイルスへの効果の差を生んでいる可能性があります。日本株やソ連株の特徴はデンマーク株などに比べてワクチンに含まれる生菌の数が多いこと。すると、免疫を高める成分も多く含まれる可能性があり、結果としてウイルス感染による重症化を防ぐ効果が高いのかもしれません。しかし、これはあくまで推測であり、今後のさらなる解析が必要です。

BCGを開発したのはフランスにあるパスツール研究所の研究者だった。1921年、BCGを初めて人に投与。対象は乳児で、その母と祖母が肺結核症を患っていたという。今で言う濃厚接触者だったわけだ。母乳に混ぜて投与し、効果が認められると、この研究所から各国にBCGは配布され、それぞれの国でワクチンが培養されるようになる。

BCGワクチンの効果について、実証はこれからとしながらも、「免疫学の世界ではこのワクチンが高齢者の細菌性肺炎に予防的効果があると指摘されていました。というのも、結核菌の細胞壁にある成分が、感染を予防するための自然免疫を刺激し、その免疫力を高めるのかもしれません。最近の研究結果から、この自然免疫が高まると、ウイルスが体に入った時に対抗するための獲得免疫の機能も高まることがわかっています。死亡率がBCGワクチン接種国で低いのは、もしかすると、BCGが自然免疫や獲得免疫を刺激して、重症化を防いでいるとも考えられるのです

例えば、日本株を使用している日本や台湾、タイにおいて、100万人あたりの死亡者数を見ると日本は現在1人程度。他の2カ国はそれより低い水準だ。それに対して、デンマーク株で接種しているポルトガルは約47人。接種を行っていないイタリアやスペインに至っては300人を超えている。ちなみに欧州の寒冷地でウイルスが猛威を振るう中、ソ連株を使うロシアは日本と同水準の死亡率の低さである。


イスラエルで、BCGが新型コロナウイルスに何らか免疫をつける効果はみられないとの解析結果を発表した。イスラエルは1955年から82年まではBCGワクチンが推奨されており、90%以上の接種率であった。一方、82年以降は、結核蔓延地域からの移民にのみBCG接種が行われている。そこで、今回、1979 から1981年生まれ (39-41歳) の3064名と、1983 から1985年生まれ (35-37 歳)の2809名においてPCR検査を実施したが、陽性率は11.7%と10.4%でBCG接種による有意差が無かったと発表した。また、それぞれの群で重症化例はそれぞれ1例であった。そこで、今回の解析からはBCGワクチンの効果は確認できなかったと発表した。もっともイスラエスで用いられたワクチンが日本・ロシア型かデンマーク型かは不明。今回の対象者よりも年上の属性での効果は不明である。

 
posted by Nina at 23:45| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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