2020年03月20日

底チカラJAPAN

新型コロナウイルスがヨーロッパにまで拡大した今、振り返ってみると、被害を最小限で食い止めたのは日本だった。何がよかったのか>
日本政府のこれまでの新型肺炎対応に関しては、ダイヤモンド・プリンセス号の頃は、世界中の批判が殺到したが、現在、世界を見渡してみると、新型肺炎の潜在的なリスクに対して、被害を最小限で食い止めているのは、日本だといえる。

日本の医療保険制度が、様々な問題があるとはいえ、世界的には非常に恵まれていることが新型コロナウイルスの拡散を抑制が効いている最大の要因だ。とりわけ所得の低い層(公的保険料を払っていれば)においては、世界的には非常に恵まれているからだ。もう一度、日本の公的医療制度の良い点を見直すべきである。

台湾はかつてSARSの流行で多くの感染者を出し、その時の政府の対応が後手に回ったため、様々な問題を抱えながらSARSと闘った経験があった。現在の民進党の蔡英文総統は2003年のSARS拡大の当時、中台関係の政務を担当する行政院大陸委員会の主任委員であった(当時はまだ民進党に入党しておらず法律の専門家として任命された)。SARSの時、台湾は「一つの中国」を掲げる中国共産党政府によって世界保健機関(WHO)に入れず、国際的な対応で後手に回っていたが、蔡英文が中台関係の担当者として中国との交渉を重ね、WHOの情報へのアクセスを求めた。また、現在の副総統である陳建仁はSARS当時行政院衛生署(保健省に相当)の署長を務めており、SARS対策の最前線にいた人物である。

他にもSARS当時の政権担当者が複数政権内にいることで、感染拡大への対処のノウハウを持っていた。また、天才プログラマーとして知られるIT担当相の唐鳳が、マスクの配布を健康保険カード(国民が持つ保険証)のデータにリンクさせて希望者全員に平等に配布する仕組みや、薬局の在庫データなどをスマホのアプリで表示させるような仕組みを整え、国民の混乱と不平等感を取り除いた。

何より、台湾での対応で際立つのはリスクコミュニケーションである。毎日、感染症予防の主たる機関である疾病管制署が記者会見を開き、外交部(外務省)や教育部(文科省)などの各部局の担当者も対応し、メディアに対して積極的な対話を行っている。国民に対して期待すること、なぜ政府がこういう政策をとるのかといった内容や理由についても説明し、国民に対する情報発信を徹底している。またLINEなどのSNSを使い、国民に直接情報が伝わるような仕組みも整えている。

こうしたリスクコミュニケーションは政府に対する信頼を高め、国民の行動の自由や日々の生活における手洗いうがい、咳エチケットなどの日常的な予防行為を徹底させるには極めて有効である。蔡英文政権は本年1月の選挙で圧勝したばかりであり、そうした高揚感や国民の支持が冷めないうちに対処出来たというのも大きい。要するに、民主主義国家であっても、政治家がリーダーシップを発揮し、行政機関が感染拡大を見越して先回りした予防策を打ち出し、それをとことんまでメディアに公開してリスクコミュニケーションを図ることで、国民は政府の対策を信頼し、自ら感染拡大を予防するための措置に協力していくことになる。

言い換えれば、権威主義国家で強権的な力をふるい、強制的な都市閉鎖や感染者・非感染者を問わない行動制限を行っても、政府に対する信頼がなければ効果は期待出来ない。イラン政府は2018年のトランプ政権によるイラン核合意撤退と制裁再開によって経済的な苦境に立たされ、反政府デモが頻発していた。さらには本年1月のウクライナ国際航空機撃墜事件で多数のイラン人が亡くなっており、先日の国会議員選挙では体制に批判的な改革派や穏健派の立候補すら認めなかったと言うこともあった。このような状況で、政府に対する信頼は圧倒的に弱まっており、それがイランにおける感染拡大に一役買っていたことは間違いない。


出典:Newsweek
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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