2020年03月08日

記事のミスリードを読み解く

3月7日時点で、47都道府県の関東では茨城県だけが、新型コロナウイルスの感染者が出ていません。全国では、茨城県を除くと12県(青森、岩手、山形、富山、福井、鳥取、島根、岡山、香川、佐賀、長崎、鹿児島)です

茨城県は2月23日、ウイルス委検査の結果が陰性で19〜21日に下船した人のうち14人が県内在住者だったと発表しましたが、県内での感染者にはカウントしていません。茨城県によると、厚生労働省が23日、これまで国が行っていた健康状態の確認を県に依頼してきたため、明らかになっています。14人全員が自宅に帰っており、県内保健所が同日から、体温や咳、喉の痛みの有無などの健康状態の確認を電話で開始していました。さらに不要不急の外出を控えることや、外出時のマスク着用の指導を受して、健康状態の確認は下船日から14日後まで毎日続け、変調は出いません。

ダイヤモンド・プリンセスで起きた新型コロナウイルスの集団感染では、茨城県は2月13日、感染者のうち新たに外国籍4人を12日に県内の感染症指定医療機関で受け入れたと明らかにした。これで県内受け入れ患者数は計8人です。県疾病対策課によると、さらに別の患者が13日夜までに県内の医療機関に搬送される見通し。厚生労働省からの要請を受け、県内では11日以降、連日受け入れが続いている。県内で受け入れた患者については、発熱や呼吸器症状が改善すれば、検体を採取した上で、県衛生研究所(水戸市)でウイルス検査を2回実施し、いずれも陰性なら退院可能となります。

日本での報道がミスリードしている、一種自虐的な報道が、世界のメディアに誤解の種となるケースが過去にもあり、今回も似たようなことあ起きています。どういう事かと言うと、時事通信の例では、2月16日「新型肺炎感染者、国内で400人超す」との見出しで記事を配信がそれです。

この記事はYahoo!ニュースなどにも配信され、ツイッター上では「コロナ感染者はほとんどクルーズ船の客なんだろうと思ってたけど、クルーズ船以外でも既に300人超えか」「あと二日くらいで一気に千人越えそうで不気味」と伝わっていきました。

しかし、この各メディアが把握している感染者414人(2月16日)には、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の船内で感染した乗客乗員355人が含まれているのです。1月下旬に香港に寄港した際に下船した男性乗客が感染し、船内感染が広まったので、国内感染という範疇には入りません。 しかも、同船は英国船籍で、船内は日本の国内ではない(クルーズ船に乗船するには出国手続きが必要で、船内は日本国外となる)。それらを合わせて414人とするなら「日本側の検査で判明した人数」であって、「日本国内で感染が起きた人数」ではないのです。

では、「日本国内で感染が起きた人数」は現時点で何人確認されているのか、詳細に当たってみれば分かります。
414人から355人を差し引いた残り59人ですが、更に、この中には中国・武漢等から来日した中国人のほか、チャーター便で帰国した日本人ら(13人)が含まれています。この人たちは中国で感染したと考えられます。2月16日現在、日本の感染者は53人、うち中国渡航歴のある人(中国での感染が疑われる人)は26人と発表(この人数は中国以外では、シンガポールに次いで2番目。 世界保健機関(WHO)もクルーズ船乗客らは日本の感染者とカウントしていないのです。( クルーズ船内で感染が確認された355人は「その他」の項目の「国際運送(International conveyance)」に記載されている)。流布されている言説が事実に基づいているのかどうか鵜呑みにせずチェックすることも今後は大事です。その究極的な意義は、意見や立場が違っていても納得せざるを得ない事実と、そうでないものとの境界線を見定めることにあると言えます。

 INFACTが厚生労働省や東京都など自治体の発表資料を元に集計したところ、2月16日時点で確認できたのは、感染者は57人(無症状11人を含む)。 うち、中国渡航歴のある人(中国・武漢等から来日した中国人もしくはチャーター便で帰国した人)は、WHO発表どおり、26人いることが確認できます。 この26人は入国日などから見て感染は中国で起きたと見るのが自然です。したがって、現時点で、中国渡航歴がなく、国内で感染したと疑われるのは少なくとも31人であり、時事通信が報じた「国内感染400人超す」の10分の1以下の数字です。

ところが時事通信は、英語版でも“Coronavirus Cases in Japan Exceed 400″(日本でのコロナウイルス感染例が400超える)との見出しで記事を配信。記事本文中でも内訳には一切触れませんでした。日本人は世界で有数の正直な国民性なので、元々相手を騙そうと思わない、相手も沿おう読み解いてくれると思い込む節があるけれど、今や日本人同士で思いやっているばかりとはいかない、海外にそのまま出ると管理ができていないアジア人だと見くびられことになります。日本的な感覚で報道すると、不利益を被って、誤解を解くこともままならない状態もおきてしまいます。自分(自国)が良ければいいとか、そのためには相手がどうなろうと知ったことではないという人たちが多いなどとは思いたくないです、そういう国際社会でどう対処するか。従来の日本メソッドの表現を、国際社会に通用するファクトファインディングを加味した教育にしていかないと、不利益を被ることが出てきそうです。

ですから、新型コロナウイルスで「400人超」というクルーズ船内感染者を含め「検査で感染が確認された人数」であって、「日本国内での感染者数」とは大きく異なります。そのため、クルーズ船内感染者の人数をきちんと把握していない(海外を含む)読者に誤解を与え、「ミスリード」したのは否めません。

今後、世界中のアスリートが集まるTOKYO2020の開催に、観客が世界中から日本を目指してくるのかどうか、こうした報道が国内だけでなく、海外の人にどういう捉えられ方をするか、賢く考えなくてはなりません。茨城県はクルーズ船乗船者まで入れていないというのは正しい表記だといえます。


出典:『ミスリード 350人超が船内感染』楊井人文( FIJ事務局長・弁護士 )





posted by Nina at 00:00| 千葉 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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