2019年10月21日

日本、フィンランドの出生数の減衰

厚生労働省が発表した人口動態統計によれば、2019年1月から7月の日本の出生数は前年同期比5.9%減の51万8590人で、今年の出生数は90万人割れする可能性が高く、予想していたよりも、少子化のスピードが加速している。子どもを産みたいと考える人に対してのアプローチ(子育て政策)が充実していても、そもそも国民が「子どもを欲しい」と考えなければ、その政策も意味がない。「少子化」という現象の裏に隠された男女格差、将来への雇用不安など、別の社会課題がよりクリアに見えて、少子化改善の手がかりがそこにはあるかもしれない。

女性たちは結婚・出産適齢期の25歳を超えては出産不利の強迫観念からも解放され、男女雇用均等法で男性と同様程度に経済的に自立できる選択が加わった。社会の風潮であった結婚か仕事かの選択も迫らなくなって、25歳を超えても結婚しない世間の風あたりも今や無風になり、30歳を超えても出産が可能だと当たり前に思うようになっている。しかし、20代での妊娠出産、育児が母体には有利であっても、さほどに子どもが欲しいという感情は滅多に起きない。このような考えの男女が増えているならば、まずはその声を改めて聞いてみるのが大事かもしれない。


北欧のフィンランドは国連の幸福度ランキングで2年連続トップを維持している国で、これまでも高福祉の国として子育て政策には力を入れてきた。2002年から2010年まで順調に出生数を伸ばしていたが、その後、急減している。ある研究者によれば、フィンランドは「ヨーロッパの新しい日本」になりつつあるという。フィンランドの大手メディア、ヘルシンギン・サノマットは「少子化が進みすぎて、近々人間の出生数よりも子犬の出生数が上回るだろう」と予測している。福祉の充実したフィンランドが、今また少子化傾向になってているのか、食い止められない少子化の波はなぜ起きているのか。フィンランドで3人の専門家に話を聞いた。

比較社会政策を専門とするヘルシンキ大学のヨハンネス・カナネン准教授が、 少子化の理由として指摘したのは、「見えない将来への不安」だ。「短期的な雇用形態が将来の計画を立てにくくしている」と警告する。フィンランドでは、日本よりも雇用の流動化が進んでおり、契約形態も多様だ。契約社員の数も多く、1年未満の契約もある。その場合、自分が1年後にどのような仕事についているのか、そもそも就労しているのか、予想することが難しい。子供を産むことの経済的、時間的負担を考えると、ある程度安定した仕事についているほうが産みやすいのだろう。

次にアンティ・カウッピネン教授は、ヘルシンキ大学で政治哲学を専門としている。
「フィンランドでは、個人主義を重んじる傾向があり、多くの人が出産するかしないかを選択できるようになったことで、子供を持つことよりも個人としての幸せを追求する人が増えたのではないかと考えられます。女性も『母親』以外の選択肢をとる人が増えています。自分の人生を子供に左右されたくないと考える人が増えているのでしょう」つまり、経済的負担の軽減策があっても、独身でいるほうがワークライフバランスをとりやすい。しかし、同じ働きをしていても、フィンランドの女性は男性の84%しか稼ぐことができない。また、高齢者の介護や子育ても母親に任されることが多い。家事に割かれる時間は女性が3.5時間に対して、男性は2.5時間だ。日本よりも圧倒的に男女格差の少ない国ではあるが、まだまだ乗り越えるべき壁は高いことがわかる。自分1人だけの生活をコントロールするほうが、まだ幸福度が高いのではないかと考えられているのだ。

フィンランドは男女平等格差指数ランキングでも常に上位を維持している。今年6月に発足した内閣は19人中11人が女性で、初めて男性閣僚の数を上回った。
ヘルシンキ大学のマルユット・ユルキネン教授によれば、「男女格差の課題はそれでもまだ存在する」という。そして、「その格差が出生率の低下に影響を与えているのではないか」と指摘する。フィンランドでは、妊娠すると、子育てにまつわるありとあらゆる相談を受けられる「ネウボラ」施設が用意されていたり、赤ちゃんに必要な1年間の育児用品が揃った「育児パッケージ」が各家庭に送られてきたり(不要な人は現金支給)、保育園にも待機することなく無償で通えたりできる。子供が欲しいと考える人の経済的負担を減らすための施策が充実している。しかし、子供を育てることでの生活の変化は、経済的負担の軽減だけでは補えきれないものがある。子供を持つことをさしあたって必要ないと判断するか、人生の大きな喜びと捉えるかは、文字通り個人の自由な選択となっている。


参照:Forbes HP



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子育て支援真っ最中の海津にいな;選挙目前でも、昔取った杵柄でおんぶ紐で奮闘中!
それにしても、この時期の赤ちゃんの世話は大変だけれど無類にカワイイ!!
子供を育てる事は一人ではできない、不測の事態が多発する。だから、子供がいないとこうした制約から逃れるが、逸失するものも多い。今にして思うと母が孫をおんぶして世話してくれたのも、この温もりが愛おしかったからで、他に代えがたい。男性は出産・授乳がないため、同じ子育てであっても身体的及び時間的拘束が少ない。こうした女性の不利を解消する政策と、妊娠・出産、不妊・避妊の理解を進めることが求められるのではないか。
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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